「田んぼが生み出す酸素は6兆円」 2006年10月1日記事

かかしのいる風景_s200.jpg【茶碗一杯のごはんで30分の風が吹く!】
『ごはん茶碗1杯分の田んぼ(2〜3株)から1匹の赤とんぼと7000匹のミジンコと5匹のアメンボが生まれ、さらに30分間の涼しい風が吹き渡り、カエルの声が5分間聞こえる』これは、農と自然の研究所代表・宇根豊先生の調査によるものです。


田んぼはお米を収穫するだけでなく、このように私たちが子供の頃に馴染んだ生き物たちを育むのはもちろんのこと、この他にも日本の自然や環境を守る様々な役割を果たしています。


宇根先生の言葉にも「30分間の涼しい風が吹き渡り」とありましたが、ごはん茶碗たった一杯分の稲株だけで30分も風が吹くなんて、信じられないでしょう!?ところが、田んぼの底力実は本当に、すごいんです。

 

【田んぼが生み出す酸素は、なんと6兆円!?】
京都大学名誉教授の満田久輝氏は著書の中で、田んぼの価値について面白いことを書いています。


以下著書より抜粋

『稲の価値はしかし「米の生産」だけではない。
水田は田植え期から収穫の秋まで約半年、人間や動物の呼気を浄化し、酸素を作る。この量を農学者の助けを借りて計算すると、日本で年二〇〇億立方メートルほどに及び、酸素ボンベなら安くても六兆円に当たる。炭酸ガス(二酸化炭素)の吸収まで考えたら、費用は無限大に近くなろう。』


金額で計算するのもすごいけど、こんなに大量の酸素が田んぼから出ていたなんて本当にすごいですよね!?酸素といえばどちらかというと森林の方に目が行きがちですが、田んぼから酸素がこんなに出ていたなんて本当に驚きです。

北御牧村風景/田んぼ_s400.jpg

 

【田舎の風が涼しい理由。】
さらには田んぼの水が蒸発して気温の上昇も抑えてくれますし、蒸発した水は雨雲を作って再び大地をうるおしてくれます。宇根先生の言葉通り、いなかの空気はとてもすがすがしく涼しいですよね。


ちなみに風が起きるしくみですが、太陽によって地面などがあたためられると、その近くの空気もあたためられますが、地面、水面、アスファルトそれぞれあたたまり方は場所によってちがうので、空気の温度も場所によってちがってきます。


 『あたたかい空気』は、『つめたい空気』より軽いので、あたたかい空気が上に上がり、つめたい空気が下に流れこんできます。


この空気の動きが『風』になるのです。

 

【ごはん食が温暖化防止になる…!?】
このように日本の環境に大きな役割を担う田んぼが輸入米や、米価の下落、後継者難などの理由でどんどん減ってしまうと日本の環境はどうなってしまうんでしょう…。


田んぼが減って、アスファルトが増えれば、ますます温暖化を助長してしまうわけですよね。
最近ゲリラ雨と呼ばれる異常な集中豪雨も、温暖化の影響とのこと…。

穂先と空_s200.jpg
 「安いし」、「美味しいし」だけで主食のお米さえも輸入に頼り、自給率を減らしてしまうと、大自然からも、さらに手痛いしっぺ返しを受けてしまうかもしれませんよね…。
みんなで日本のごはんをいっぱい食べましょう!

 

 

「玄米工房通信」2006年10月1日記事