こんにちは!ピュアネットジャパンの関根です。 鳩山新政権の政策にちなんで、先月号では、今話題の「ダム」と「自給率」との関わり
についてお話をしましたが、今回は「温室効果ガス」と「自給率」との関わりについて
お話をしたいと思います。
本誌にて以前、田んぼが1年間に生み出す酸素はガスボンベに換算すると
6兆円以上にもなるというお話をしたことがあります。
量にして二百億立方メートルもの酸素が、毎年田んぼから生まれる
計算になります。
もちろん稲が、光合成をするわけですから、その分の二酸化炭素を浄化する
ということでもあります。
また田んぼは気温の上昇を抑えるという役割も担います。
NPO法人農と自然の研究所・代表の宇根豊さんの話によれば、
ご飯茶碗1杯分の田んぼ(稲2〜3株)から、30分もの涼しい風が生まれるといいます。
田んぼが生む濃い酸素や、水の蒸散が、空気の流れを作るためです。
田園地帯に涼しい風が吹くのはこのためで、夏場でもエアコンなしに過ごせる
田舎家も、こうした涼しい風の恩恵といえるでしょう。
こうして田んぼで生まれる酸素や二酸化炭素の浄化も、温暖化防止に
大きく貢献するわけですが、実は、これらが果たしてどれほどの影響があるのかと
いっただけの単純な話ではないんですね。
むしろ、日本がこうした田んぼを耕作放棄し、食糧を海外に依存することによる
弊害が大きいという話なんです。
さて「フードマイレージ」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
食糧の輸送で排出されるCO2など、環境への負荷の大きさを測る手段として
用いられていますが、運搬される食糧の重さt(トン)と、距離km(キロメートル)を
掛けて表しています。
表をご覧下さい。

日本のフードマイレージは、他の先進国に比べても、ダントツに大きいことがわかります。
総量でみれば、2位の韓国に比べても3倍近い数字ですね。
日本の食糧輸入は、これだけ環境に負荷をかけているということ、
すなわち温暖化を助長する原因になっているということなんです。
ちなみに日本人が国産小麦のパンを食べるだけでも、冬に自宅のエアコンの
温度を1℃下げるくらいのCO2を減らせるといわれています。
そしてコンビニエンスストアの「幕の内弁当」1つに使われている食材の
フードマイレージが、なんと16万キロといいますから、本当に驚きです。
日本の自給率低下が、地球の温暖化を加速させる大きな要因となってしまわぬ
ためにも、毎日の食卓にはぜひ、日本の農産物を選んでいただければと思う次第です。
