店頭精米販売をしようと思ったときに、必ず必要になるのが「店頭精米機」です。

店頭精米機は、通常の精米機と比べて

●音が静か

●精米が早い

●米ぬかがきれいに処理BOXに入る

などの特徴があります。

 

そして初めて店頭精米機を購入する際、一番気をつけなければならないことがあります。

 

それは「残留米の残らない」精米機であるかどうかということです。

 

私も店頭精米をするお米屋さんのお店を、全国各地でたくさん見ましたが、お米屋さんでさえも、ここのところは、つい“うっかり”してしまうポイントのようです。

 

ですが、これは非常に大きな、とても大事なポイントなんです。

 

それはなぜか?

 

残留米が残る精米機であれば、精米後必ず数百グラムのお米が機械の中に残ります。

機械にもよりますが、300g〜500gくらいは残るようです。

 

ということは前に精米した人のお米が、次の人のお米に混じるということなんですね。

 

例えば店頭で販売するお米を一種類しか扱わないということであれば問題ないのですが、どんなに品揃えのないお店でも、3〜4種類は扱っていますよね。

 

例えば、魚沼コシヒカリを1kg買いたいというお客様がご来店したとします。

もし、その前のお客様が一番安いお米を買っていたとしたら、魚沼コシヒカリと思って買っていただいたお米の3割〜5割(300g〜500g)は、前の人の安いお米が混ざってしまうということになります。

 

コシヒカリやひとめぼれといったうるち米なら見た目にわかりませんが、前の人がもち米を精米していたとしたら、もち米が混ざってしまいます。

 

ということで、精米機選びを間違うと、意図せず、お客様に表示と違うお米を販売してしまうことにもなりかねません。

 

ですが、世の中の店頭精米販売店は、意外に、こうした残留米のある精米機を使っているところが多いんです…。

 

なぜなら、昔は、数十キロ〜数百キロといった単位で精米することが普通であったため、構造上、精米機の中に多少のお米が残るというのは当たり前のことで、またそうした精米機しかありませんでした。

店頭精米販売というのは、まだまだ歴史が浅く、1kgから精米するといった商売は、ここ10数年のことで、店頭精米機についても、開発されてからまだ十数年といった機械です。

 

また「残留米のない精米」をする機械の構造については、特許を持っているメーカーもあるほどで、どこでも簡単にできるものではないようです。

 

そうした理由で、店頭精米機すべてが「残留米のない」構造を持っているわけではなく、むしろ残留米のないタイプの精米機を選ぼうとすると、わずか数社のものに限られてしまいます。

 

そこで、「残留米のないタイプ」の精米機をいくつかご紹介したいと思います。

●おすすめの店頭精米機その1●クボタVM−30「米伯楽(めいはくらく)」
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クボタVM-30N(B)

この機械は“残留米ゼロ”精米機としての歴史が古いだけあって、なかなか優秀な店頭精米機です。

 

以前は、クボタ米伯楽といえば、KM-3(下記参照)という箱型のものでしたが、KM-3が製造中止となり、それを引き継ぐ形で、このVM-30が発売されました。

価格は定価で620,000円。

別売のサイクロンボックス(定価100,000円)もつけると、30kg米袋での米ぬか処理ができて便利です。

 

同機種の最新型は、VM-30N(B)となっているようです。(2009年12月27日現在) 

 

【精米機の特徴】クボタのホームページより

クボタ独自の圧力調節機構と斬新なふたつの制御(スクリュ式玄米供給制御と精米負荷検出)の働きで、投入した玄米は残らず白米に仕上がって排出されます。

残留米がないので他品種と混ざることがありません。
 
白度調節は ボタンで16段階に調節可能。

任意に「ぶつき」「標準」「上白」と3パターンの白度を記憶させることができるので、ワンタッチでお好みの白度に設定できます。また、何かのトラブルが生じた場合にはモニターが異常内容をお知らせします。

クボタ独自の白度コントロール機構は電源電圧に左右されない安定した制御です。
 
ホッパーや前扉は、工具なしで簡単に開くことができるので、点検や掃除が簡単に行えます。

また、糠は糠箱に排出されるので、機械はいつも清潔です。

 

●安全に配慮
前扉、ホッパーが開いている時は、機械は動きません。

 

●メンテナンスもラクラク
日常的なメンテナンスは、前面の2つの扉から行えます。また、糠ファンの羽根車も簡単に取り出せる構造になっています。
 
● 白度性能が従来機※より大幅にUP
 上白をより白く仕上げることができるので、きれいな白米に精米可能です。
 ※当社比VM-30、2005年2月現在
  
● 糠フィルターカバーを装備
 異物の混入や糠フィルターが外れないように防止します。
  
● 軽い樹脂製糠箱
 容量 = 玄米60kg精米分
  
● 糠満量センサー採用
 糠箱が満量(玄米60kg精米分)になると、センサーが重量を感知し、機械は動かなくなります。

 

→クボタのホームページはこちら

●おすすめの店頭精米機その2●山本製作所MZ-03(ニュースーパミル)  
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山本製作所MZ-03(ニュースーパミル)

私自身はまだ使ったことがありませんが、今一番注目しているのがコレ!

定価496,000円と価格も安く、これから店頭精米を始める方には、期待大です。

【精米機の特徴】(山本製作所のホームページより) 

●残粒0(ゼロ)で、最初から最後まで好みの白さに簡単精米。
●機械の内部にお米が残らないので、精米する品種が変わっても、最初から最後まで無駄なく、きれいに楽々精米できます。
●16段階の細かな調整で、お好みの白さや用途に合わせた精米が簡単にできます。
●3馬力、5馬力ともに大幅な低価格を実現。高性能・高機能で、さらにうれしい低価格です。
●全ての操作は、操作パネルのスイッチを押すだけなので作業が簡単楽々、安心です。
●運転中の騒音と振動が少ない特殊機構なので、周囲の方に不快感を与えません。店頭でも快適に精米できます。
●軽量化された前面カバーを開くと、とう精部が現れます。とう精金網は、ネジ3本を外し簡単に脱着でき、過負荷停止装置(サーマルリレー)は、リセットが不要な自動復帰型を採用しました。
●色彩選別機、シフタ等の関連機器との連結で、さらに作業を効率アップ。工程の右流れ、左流れなどシステムに配慮した設計です。
●オプションの糠回収には、サイクロンボックスのほか糠箱など4種類から選べます。

→山本製作所のホームページはこちら 

●おすすめの店頭精米機その3●タイワCA-50(コメック・ネオ)   
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タイワ精機CA-50(コメック・ネオ)

店頭精米機では老舗ですが、残留米のないタイプの発売は、山本製作所のものと同じ頃で、後発組みです。

残留米のあった前のタイプ(コメック)は、精米時の音がとても静かで、デザインも良かったため導入したお米屋さんは非常に多かったようです。

前出のクボタ、山本製作所のものと比べると、定価1,050,000円と価格はちょっと高めです。

【精米機の特徴】(タイワ精機のホームページより) 

●1ぶづき米から上白まで!
精白度は18段階。1ぶづきから上白まで、お好みの白さに仕上げます。

●精米終了時の機内残留米は『ゼロ』
独自の前傾斜搗精部採用により機内にお米を残しません。

●ムラ搗きの少ない ぶづき精米
初期/連続/終了の白度差が2%以下。

●高能率型 連続精米で300kg/時
10kgを3分18秒で精米。ライン用無残米精米機。

●1kgの少量精米対応
更なるヌカ切れ向上と低温精米

●連続精米での温度上昇は14℃以下。

●音の静かな静音型
前面1mで69dB

●メンテナンス性の向上
フロントカバーが180度オープン。メインベルトに自動テンション採用。

●「キータッチブザー」を採用
キー操作でブザー音。

●移動に便利な「キャスター」標準装備。

→タイワ精機のホームページはこちら

 

●おすすめの店頭精米機(番外編)●クボタKM-3「米伯楽(めいはくらく)」       

今は製造中止となっていますので、手に入れられるとしたら中古での入手しか方法はありません。

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クボタKM-3
(旧米伯楽)

箱型でデザインはイマイチで、精米時の音がVM−30よりちょっとうるさいですが、排出口が前にあるため、出て来る精米がとても見やすく、精米具合がチェックしやすいのが利点です。

精米はじめと精米終わりに精米ムラが出やすいので、最初と最後は精米具合を良くチェックし、おわん等ですくって、もう一度精米口に入れるなどの工夫が必要です。

予算に余裕がない場合は、こうした中古を購入するのも方法です。

基本的に頑丈な機械なので、中古でも結構使えるはずですが、もとのオーナーの使用状況によっては、オーバーホールが必要な場合もありますし、製造中止の機種ですから、修理の際に部品がないといったトラブルも考えられます。

中古で購入する場合は、そうしたメンテナンスやアフターフォローについて、農機具店やメーカーに十分確認した上で、ご購入することをオススメします。

(ちなみに個人的な見解ですが、この機種を中古で20万円以上で購入するのであれば、新品の購入検討することをオススメします…。)

余談ですが、KM-3は、次にご紹介する山本製作所がクボタの下請けでOEM製造していたという話を聞いたことがあります。(本当かどうかは謎ですが…。)

さっそく店頭精米機を購入したいという方へ

精米機を購入する際は、農機具店に発注する方法と、メーカーにダイレクトに発注する方法があります。

米穀店様の場合、お付き合いのある農機具店があるようでしたら、ぜひそちらにお問合せすることをオススメします。

私の経験では、メーカーダイレクトに発注することのメリットは、農機具店に発注することと比べてさほど大きくはありません。

むしろメーカーによっては、地域に専属のメンテナンスマンを置いていないこともあります。

農機具店の方がよほど、精米機の構造に精通していたり、小回りがきくということもあり、いざという時に助かります。

また農機具店であれば、各メーカーの機械を比較して購入することが可能です。

プロの目から見て、各精米機のメリット、デメリットをしっかり説明してくれる親切な農機具店もあります。

もし・・・

「農機具店に全く当てがない」

◆「店頭精米機の導入が初めてなので、どこか紹介して欲しい」

◆「現在付き合っている農機具店がイマイチ不親切」

といった方がいらっしゃいましたら、

農機具店をご紹介致しますので、弊社までご一報下さい。

(地域によっては、ご紹介できない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。)

弊社では、これまでに100件以上の小売店に店頭精米機を導入した実績がありますので、他よりも多少良い条件が出るかもしれません。

※ただし、あくまで私の知っている範囲で、農機具店をご紹介するということにしておりまして、これを商売にしているわけではないので、他との相見積り(価格の比較)のためのお問合せなどはお断りさせていただいております。

決して安い買物ではありませんので、じっくり検討して、ご購入して下さいね。

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私共は、美味しさや安全性にこだわる全国各地の優秀な生産者と栽培契約した産地直送の「特別栽培米」や、「JAS有機栽培米」などの玄米を卸売り流通し、また販促ツールや情報のご提供、イベントやセミナーの開催、コンサルティング等を通じて、1996年より小売店様の商売繁盛のお手伝いを続けている会社です。

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