夏の風物詩といえば、やっぱりお祭りですね…。

 

蒸し暑い夜に祭囃子で夕涼み、大人も子供も何となく開放的で楽しい気分になります。

さてそんなお祭りの大半が、実はお米に深い関係があるということをご存知でしょうか。

また日本に古くから伝わる伝統行事や、伝統芸能の由来も、稲作に深い関係があるものばかりです。

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2,000年以上の歴史を持つ日本の稲作ですが、どんなに農耕技術が進歩しても、人間の力の及ばない大自然に左右されるのが米づくりです。

 

昔の人々が天を仰いで、豊作を祈り、やがて祖先の霊などを田の神として信仰するようになったのは、ごく自然のことだったのでしょう。

 

日本では昔から山は神の住むところとして、あがめられてきましたが、春には田を耕すのに先立ち、山から降り立った田の神、水の神などが、農耕を司り、そして秋の収穫を見届けてから再び山へ帰ると考えられて来たようです。


稲作の作業はこういった神の行き来と重ね、その節目ごとに神への歌や踊りを奉納し信仰を深めてきました。こうして生まれた行事が、お祭りであり、また伝統行事として今に伝えられています。


神社に行くと一本の木や、石にしめ縄を張っているのを見かけますよね。これがもともとの神社の始まりだそうです。


特にご神木は、水の神が春になるとその木をつたって下りてこられ、秋になるとその木をつたって天に帰ると考えられていたようです。

◆神社のお社のルーツは高床式倉庫!?
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そして今の神社のお社は弥生時代の高床式倉庫が始まりだと言われています。

その名残で神社のお社はみな高床式になっているとのこと…、昔の人にとってお米をしまっておく倉庫がどんなに大切だったかということが良くわかります。


稲の神を奉った倉庫がそのままお社になったのかもしれませんね。

◆相撲や歌舞伎も、お米と深い関係が…。

行事の衣装や横綱の土俵入りなど、とても厳かで華やかですが、実は相撲も弥生時代の頃から豊作を祈って神に捧げた祭りだと言われています。

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「土俵の輪は天を表わし、外側の四角は地を表わし、その中に力士が入って天と地がひとつになる」と言われているのだそうです。

土俵を作る時は、中にそっとお米を埋めると言われていますし、行事の持つ軍配も、昔の絵を見ると、表には「天下泰平」裏に「五穀豊穣」などと書かれたりしています。

また水田農耕は田楽(田植え祭りの舞楽)という芸能を生み出しました。これがやがて、猿楽となり、能となり、能猿楽となり、さらに芝居能となり、今の歌舞伎へと発展して行きました。

◆ねぶた祭もかまくらも、やっぱりお米に由来。

かの有名な「ねぶた祭」も、実はお米と深い関係があります。あのド派手な張り子を思い起こすと、どこが関係あるのかと思いますが「ねぶた」はネブリ返しとも言われ、農繁期を前にして眠気、睡魔を流し去るという意味があるのだそうです。


秋田県の「かまくら」は子供たちの楽しい遊びとして有名ですが、これも「かまくら」の中に「水神様」を奉り、甘酒やみかんをお供えして、今年の豊作と子供の成長を願う行事です。


このように日本の伝統行事や伝統芸能、お祭りなどは米づくりから生まれてきたものばかりなんですね。

最近、店頭に並ぶ納豆や豆腐などの大豆製品には必ずと言って良いほど「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません」というメッセージが入っています。


そして私たちは、それらの食品を安心して購入するわけですが、厚生労働省の実態調査によれば「遺伝子組み換え作物不使用」と明記した食品の30%以上で遺伝子組み換え作物が検出されたそうです。


今回はそのように私たちの食卓に密かに忍び寄る遺伝子組み換え食品のお話です。

◆5%までは「遺伝子組み換え作物」混入OK?

 

さて、このように「遺伝子組み換え作物不使用」と表示された製品から、しかも3分の1にも及ぶ割合で、遺伝子組み換え作物が検出されるといった事態が起きるのは何故でしょうか?


実は日本政府が定める「遺伝子組み換え食品」の表示制度に根本的な問題があるようです。

EU等では、全製品に対し表示義務があり、しかも0・9%以上の混入が認められれば、遺伝子組み換え食品としてみなされるのに対し、日本の表示制度では、5%までは「遺伝子組み換え作物」が混入していても、「遺伝子組み換え作物不使用」の表示が認められています。

 

◆醤油や油は「遺伝子組み換え作物フリーパス?


しかも油や醤油といった製品については「遺伝子組み換え作物」に関する表示義務は一切ありません。


ところが恐ろしいことに、こうした遺伝子組み換え作物を使用する製品の9割はこうした規制のない油や醤油だと言われています。


ちなみに日本で表示義務のある製品は豆腐などの大豆製品15品目、トウモロコシ製品9品目、ジャガイモ製品6品目だけです。


◆日本は世界最大の「遺伝子組み換え食品」輸入国?

 

日本の大豆の自給率はたったの5%、残りの95%は輸入に頼っています。そしてその輸入大豆の80%はアメリカからの輸入だということをご存知でしょうか…。


そしてさらに恐ろしいことに、アメリカの大豆畑の80%は、遺伝子組み換え作物を強力に推進するモンサント社から供給された種子を使用しているのだそうです。


実はすでに世界中の全大豆栽培面積の55%は遺伝子組み換えだという報告もあります。

そんな中、表示規制の甘い日本は、世界最大の遺伝子組み換え作物輸入国であり、モルモット状態とも言えるかもしれません…。

 

◆封印される!?遺伝子組み換え食品の危険性…

さて前出のモンサント社が開発した遺伝子組み換え作物には、除草剤農薬をかけても枯れない「除草剤耐性」と、虫が葉っぱを食べると死んでしまうという「害虫抵抗性」という2種類があります。


このように虫が死んでしまう作物や、農薬をかけても枯れない作物を、果たして人間が食べても大丈夫なものなのでしょうか?

イギリスのある学者は、害虫抵抗性のジャガイモを食べたねずみに腫瘍ができたり、害虫抵抗性トウモロコシの花粉によって大量の蝶の幼虫が死んだ等の報告をしました。

ところがこの学者は、この研究発表後追放されてしまったそうです。

どうにも謎の多い遺伝子組み換え問題ですが、知らないうちに私たちの目の前の食品に含まれている可能性があるのですから、もっと身近な問題として、私たち自身が関心を持たなければいけないのかもしれませんね…。

 

(この記事に掲載のデータ等は2004年10月現在の調べによるものです。)

◆古代米の鮮やかな色素の正体はポリフェノール!

古代米とひとくちに言っても、赤米、黒米、緑米、香り米などがあり、それぞれにまた違う特質をもった品種に分けられます。
その中でも古代米の代表選手といったらやはり赤米と黒米でしょう。
それは赤と黒といった鮮やかな色素をもつこともありますが、何といっても一番注目されているのは高い栄養価と、抗酸化作用をはじめとする機能性です。

 


さてこの機能性ですが、実はこの鮮やかな色素に秘密があります。

赤米の赤い色素はお茶にも含まれるカテキンやタンニンといった成分、黒米の黒い色素は赤ワインや黒豆で一躍脚光を浴びたアントシアニンといった成分です。

どちらの成分も活性酸素を除去し、老化や病気を防いだり、発ガン物質の活性化を抑制する効果が認められている「ポリフェノール」の一種です。 

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赤米の玄米粒

赤米は、赤飯のルーツ。

現在「赤飯」はもち米にアズキもしくはササゲを入れ蒸して作られますが、その起源は赤米であるという説が民俗学者の柳田國男氏らによって示唆されています。

黒米は、おはぎのルーツ

黒米が中国より伝わりお彼岸に黒米で作ったおはぎを食べる習慣ができたと言われていますが、江戸時代頃
より白米が主食となり黒米がいつしか姿を消し、おはぎは現在のようにもち米をあんこでくるんで作るようになったと言われています。

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赤米の玄米粒

黒米は、出世米。

中国が漢の時代、探検家の張騫(ちょうけん)が、この黒米を発見してから出世し、縁起の良い出世米として皇帝御用米になったと言われています。

黒米は、中国歴代皇帝が食べた不老長寿米。

黒米は「不老長寿の米」として歴代の中国皇帝に献上され、皇帝もしくは女官たちに独占されていたそうです。

黒米は、楊貴妃の美しさの源。

かの楊貴妃も、美容食として黒米を愛用していたと伝えられています。民間の言い伝えでは、皮膚を滑らかにし、髪の毛は黒くなり、若返りに効果があると言われています。

黒米は妊産婦に喜ばれる

中国では黒米を、妊産婦が喜んで食することから、別名「月米」と呼ばれています。

ネパールでは赤米は薬として知られる。

赤米は体が温まると言われ、ネパールでは健康食として、また薬として利用されてきました。
特に内臓の病気や目の病気の時に食べます。また牛が病気になったときにも食べさせるそうです。

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長い芒(のげ)が特徴の赤米の稲穂

昔から中国で、漢方薬として知られる黒米。

中国では明の時代、李時珍の「本草綱目」に「黒米は女性の生理、腎臓を補い、脾臓、肝臓に良く、目の血のめぐりを良くする。更に滋養強壮に優れ、造血作用があり、髪の毛の黒さを増す」と記されています。
宮廷料理最高級の薬膳料理としても古くから使われており、「薬米」の別名もあります。

第二次世界大戦の直後は、餓死者が出るほど大変な食糧難でした。それでも大多数の日本人はなんとか生き延びて、ようやく米をはじめとする農業生産も軌道に乗りはじめた1954年の3月に日本はアメリカとMSA協定(日米相互防衛援助協定)なるものを結びました。


この協定は日本の軍備増強に対するアメリカからの援助を取り決めたものですが、それと一緒にアメリカからの農産物の輸入も取り決められました。


◆余った小麦を日本に売るためにできた法律?


当時アメリカでは大量の小麦の在庫を抱えていました。アメリカ議会はこの「余剰小麦」を海外に売りさばくための法律「公法480」(別名=余剰農産物処理法)をつくりました。

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このMSAと公法480の二つが抱き合わせになって、日本では代金を円で支払って、アメリカの小麦を輸入できることになりました。


◆学校給食のパンの原料にするなら小麦はタダ!


当時の日本には輸出できる目玉商品もありませんでしたから、輸入小麦の代金として支払うドルもなかったわけで、そこに「円で払ってもいいよ」
という条件を提示されたわけです。

さらには「その代金の一部を小麦製品の消費拡大のためにつかってもいいよ」と言われ、極めつけは「学校給食のパンの原料にするなら、その分はタダでもいいよ」というおまけがついていました。もちろん政府はこの条件に飛びついたわけです。


小麦製品の消費拡大のために使ってもいいとされたお金で、キッチンカーという特殊な自動車が作られて、全国津々浦々をパンやスパゲッティなどの宣伝に回りました。

MSA協定を結んだ直後、1954年6月には「学校給食法」ができて、小麦粉製品を主な食材として給食を行うことになりました。


そしてその施行細則では「完全給食とは給食内容がパン(これに準ずる小麦粉製品等を含む)、ミルク、及びおかずである給食をいう」とはっきりうたわれました。

このようにしてパンにミルクという、それまで日本人にとってあまりなじみのなかった食事の形が持ち込まれたのです。


これが子どもたちに、毎週5回必ず食べさせる食事として持ち込まれたことに注目する必要があります。


◆アメリカの国益のために変えられた日本人の食生活。


給食用の輸入小麦がタダでいいといっても、アメリカで小麦を作っている農家からタダでもらうわけにはいきませんから、当然政府は代金を払って小麦を買い上げしなければなりません。

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その分はアメリカの国家財政から支出して肩代わりするのです。


そして当然議会で予算を通さなければなりませんが、そのときに予算計上の理由になったのが、「米食の日本人の食事を小麦食に変えて、将来アメリカの小麦のお得意さまにするための予算だ」ということでした。

◆結果は…お米消費半分に。

こうして、ひとつの民族が長い間かかって作り上げてきた食習慣を、そう長くない期間で変えてしまおうという壮大な実験が行われたのです。そして結果はご承知の通り…。

日本人は本当にお米を食べなくなりました。


最近の1人あたりのお米年間消費量は平均で約60kg、1960年代の一番食べていた頃の約半分の数字です…。(参考文献「食料はだいじょうぶか」滝澤昭義著・筑摩書房)

雨にも負けず 風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち
欲はなく 決して瞋(いか)らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米4合と 味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを自分を勘定に入れずに
よく見 聞きし 分かり そして忘れず
野原の松の 林の蔭の 小さな茅葺きの小屋にいて
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないから止めろと言い
日照りのときは涙を流し 寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにデクノボーと呼ばれ
ほめられもせず 苦にもされず
そういうものに 私はなりたい

銀河鉄道の夜や、セロ弾きのゴーシュなどで有名な宮沢賢治は農業学校の教師を経て、農業人としても知られていますが、晩年の作品の「雨ニモ負ケズ」は皆さんもよくご存知のことと思います。(右参照)


ところでこの詩に「一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ…」という一節があるのをご存知ですか?

「宮沢賢治(の時代)って、こんなお粗末な食事で、雨にも風にも負けない丈夫な体って出来るのかな?」なんて思う方もいるのではないでしょうか。


さて、この1日4合という玄米ですが、実は現代人が食べるお米の、約3.5倍の量なんですね。

1合を約150gとして計算すると、宮沢賢治は1年間に216kg食べていたことになります。
ところが現代人は平均で年間約60kgしか食べていません。

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4合といって、ちょっとピンと来ない人には、ご飯にして1日に茶碗8杯と言えばわかりやすいかな…。
白米ではなく玄米ですから、アゴの弱い現代人が玄米をこれだけ食べるとしばらくはアゴが痛くて大変な思いをしてしまうかもしれません。

さて、玄米が美容や健康に良いというのは、テレビや雑誌などの特集で、ご存知の方も多いかと思いますが、具体的に玄米に豊富に含まれる栄養価は何かと言いますと、食物繊維、ビタミンB1、B2、ナイアシン、ビタミンE、鉄分、脂質などが特に多く、それぞれ精白した白米の2~4倍は含まれています。


江戸時代に原因不明の奇病「江戸わずらい」として恐れられた「脚気」(かっけ)も、精白技術が進歩して白米を食べるようになってから、ビタミンB1不足が原因で起きた流行病でした。
脚気は、明治時代になっても年間2万人の死者を出し、大正時代にもなお原因が解明できず、昭和の初期まで流行した大変な病気でした。


昔、健康診断のとき、脚気の検査として、ひざをトントンと叩かれた記憶がある方も多いでしょう。
それだけ玄米に含まれるビタミンB1は日本人の体に必要な栄養価だったということですよね。
さて、これらの玄米の栄養価を表にまとめてみました。(下表参照)


ちなみにビタミンB1を見てみると人間が一日に必要な量1mgに対し白米なら25杯のところ、玄なら3杯で摂取できるわけです。比べてみるとスゴイですよね!

さて表の中で、ビタミンB2については、玄米でもちょっと足りない気がしますが、実は、食物繊維を豊富に取る事で増える腸内乳酸菌がビタミンB2を体内で生成することがわかっています。


さて、1日に4合の玄米を食べる宮沢賢治ですが、表の一番右のデータを見ていただいてわかる通り、玄米だけで、かなりの栄養を確保していたことがわかります。


豊富な食材で、栄養の取れる現代ですから玄米食にするべきだなんて乱暴な事を言うつもりはありませんが、これだけ栄養の豊富な玄米をキレイに削り取って白米にしてしまうのは、とても
もったいない気がします。


まずは少しだけ、ぬかの部分を残した分づき米などで、お米本来の甘味や美味しさを再認識することが、「雨ニモ風ニモ負ケナイ」体づくりの第一歩なのかもしれませんね。

※表のデータは、茶碗1杯200gにて計算してあります。

「ごはんに○○を入れて炊くと、美味しくなるよ」なんて話、聞いたことありませんか?
聞いてみれば、ご家庭によっていろいろな工夫があるようです。
 さて今回は、その炊飯時に入れるとごはんが美味しくなると言われている隠し味を特集してみたいと思います。ぜひお試しあれ!

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【酢 ごはんが傷みにくくなる】
夏場は、米を研いだ後に、酢を2〜3滴入れると、炊飯ジャーに2〜3日入れたままでも、ごはんがいたみにくいそうです。

 

【みりん テリが良くなる】
「テレビで見たのを機に試している」という人が多いのがコレ。
一合に対して小さじ一杯入れると古米でもテリが良く美味しくなるうえ、栄養価もアップするとか。

 

【塩(天然塩)甘みが出る】
食塩でなく天然塩を! スイカに塩をかけると美味しくなるように、塩分を入れることでご飯の甘味が出てくる。おにぎりっぽくなって、天然塩のミネラル効果も期待できる。

 

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【酒 古米臭がなくなる】
お酒を入れるとふっくら炊けて、古米でも古米臭がなくなるとか…。料理にお酒を入れるとまろやかになって美味しくなる
のと同じだそうです。

 

【にがり ふんわり感が出る】
炊くときに2〜3滴入れると、お米にふんわり感が出ると言います。

 

【備長炭 ふっくら炊ける・水道水でも美味しくなる】
炊飯器に直接入れて炊けば、遠赤外線効果でふっくら炊けます。
 また麦茶などを入れる容器に炭やセラミックなど遠赤外線効果・浄化作用があるものを入れて
1日置いた水で炊けば、水道水でも美味しく炊けるそうです。

 

【香り米 ポップコーンのように香ばしい香り】
関東圏ではあまり見かけない「香り米」ですが、一升に対して大さじ3杯くらい混ぜると香りが良く、とても美味しいと喜ばれるそうです。
 しかし入れれば入れるほど美味しくなるというものではないので、隠し味程度にとどめるのが賢明でしょう。
 香り米の匂いの特徴は、特に炊き上がるときに、ポップコーンのような香ばしい香りがしてきます。

 

【もち米 パサパサのまずいお米が美味しくなる】
パサパサしたお米や、まずいお米でも、もち米を混ぜると美味しく食べられます。
 あのアテネオリンピックでも、もち米が大活躍。野球代表チームがイタリアの合宿先で調達するお米はパサパサなので、もち米を1割混ぜて炊いたら、粘りが出て特上コシヒカリにも負けない味になったとか。

 

【低アミロース米 まずいお米が美味しく】
これも、もち米と全く同じで、ミルキークィーンや夢ごこちなど粘りのある低アミロース米を混ぜると美味しくなります。
 ちなみに低アミロース米は、もち米ほど白濁していないので、お米屋さんでも食味を上げるために使用するところが多いようです。

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【番外編 急ぎでも美味しく炊ける方法】
お米は冷たい水で研いだ方が良いと思っている方が多いようですが、急いでいるときには「お湯研ぎ+10分保温法」がオススメ。


 触ると「ちょっと熱いかな」と思うくらいのお湯で米を研いで炊飯器へ。そして保温ボタンを押して10分から15分おいてから、普通に早炊きボタンを押すと、ふんわり感があって美味しく炊けます。
 時間がない時でも美味しくご飯を炊くための「主婦のウラワザ」です!

(参考文献/現代農業2004年12月号・農文協)

「玄米工房通信」2007年1月1日記事

【パンの原料小麦は、ほとんどが輸入小麦。】
お米はいうまでもなく、日本人の主食です。
お米は現在で、年間約900万トンほど消費されますが、そのほとんどは国内で生産されたものです。


最近、お米の輸入量も増えていますが、それでも平成17年でお米の自給率は95%ほどあります。
さて、パンや麺類などの原料となる小麦ですが、こちらは年間約600万トンほど消費されており、そのうち国内で生産されている小麦の割合は、約14%です。残りの86%は海外からの輸入なんですね。


ちなみに国内産小麦で、パンに使用されるのは全体の1%程度だそうですから、私たちが口にするパンの原料小麦は、ほとんどが輸入物です。

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【主食の一端を担うパン。】
さて、その600万トンのうち、パンに使われる原料はというと、平成17年で、年間約120万トンもあり、国内で消費される小麦の、約5分の1を占めています。


この数字で見るとパンも今や主食の一端を担っているのだとあらためて感じます。「お米は炊くのに時間と手間がかかる、パンはそのまま食べられるから簡単。」と考えられがちです。焼きたてのパンは、とても香ばしく、軽く食べられるので、身体にも良いような気がしますよね…。

 

【いつも美味、菓子パンは科学技術の結晶!?】
しかし、パンとごはんは、まったく違うもの。パンは製品、ごはん(お米)は素材です。
さてパンは、製粉された小麦粉に水と酵母、食塩、イーストフード、砂糖、油脂、乳化剤などを加えて練って寝かせ、発酵させたうえこれを焼くというように、作るのに大変な手間がかかります。


しかも製造の過程では、発酵を助けるために炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化・炭酸アンモニウムなどのイーストフード、品質劣化・硬化を防止するためにしょ糖・グリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、酸化防止剤などの多くの添加物が使用されます。


菓子パンだとさらに糖分、脂質があがり、添加物も増えます。
何日も焼きたてのようなパンの食感はまさに科学技術の結晶といえるでしょう。

 

【問題は添加物…ごはんはゼロ、パンは?】
これに比べると、特別なことをしなくても長期間保存でき、精米して水を加え火にかけるだけで炊けるお米は非常にシンプルです。
このようなシンプルさは無添加という安心感にもつながります。

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お米も栽培方法などで安全性には差があるものの、パンに比べればお米そのものが自然食品といってもよいくらいでしょう。


パンも古代から数千年の主食の歴史を持っていますので、一概に甲乙をつけることは出来ませんが、添加物たっぷりの製品化されたパンが主食としてお米にとってかわるのはちょっと怖い気がします。


穀物が少なく砂糖を大量に摂取するような食生活が続くと低血糖症、ビタミン・ミネラル欠乏を招きます。


 このような状態では人間はイライラし、性格も攻撃的になるそうです。
「最近の少年の凶行は食文化の変化による影響が大きい」とはNPO法人民間稲作研究所代表の稲葉光國先生のお話しです。


少年犯罪や事件の原因がすべて食生活にあるということではありませんが、ファーストフードやコンビニに偏重した現代の食生活を考えると全く無関係ともいい切れません…。
当たり前の日本人の主食「ごはん」をぜひ見直して欲しいと思います。


パンを食べるなら、なるべく添加物たっぷりの菓子パンだけは避けたいものですね…。

「玄米工房通信」2006年12月1日記事

幻の16%って一体何のこと…?

実はこれお米に含まれる水分含量(お米に含まれる水分の割合)のことなんです。
今回はお米の水分についてのお話をしたいと思います。

農産物検査手帳表紙_s160.jpg
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農産物検査手帳には水分の最高限度も記されています。

【15%を越えると規格外のお米…。】
通常お米を収穫したらモミのまま乾燥機に入れ、水分含量を通常14〜15%程度に乾燥させます。
農産物検査法によれば水分の最高限度は15%となっており、15%を超えたものは、1等米、2等米などの等級が付かない規格外ということになってしまいます。

 

【16%だから美味しい】
ところがお米は水分が高いほうが味が良くなり、16%くらいの水分で調整すればとても美味しいお米に仕上がるんです。


以下に米穀業界紙の関連記事をご紹介します。


『水分が14%でも15%でも、水加減の調整で、食味的にはほぼ同じ食感にご飯は炊ける。しかし、15%と16%では16%の方がまろみというか粘りに深みが出て、コメ本来のうまさを感じる事が多くなる。

さすがに17%になると水加減の調整が不可欠で炊き方が難しくなるが、ソフトな感触を好む人にはたまらない味ではないだろうか。
多くのコメは、乾燥度が進むほどに味も飛んでしまう傾向がある。
(平成14年9月5日・商経アドバイス記事「おコメの話」より)

 

【美味しいのになぜ出回らないのか?】
では、なぜ農産物検査法では15%以下という基準を設けているのか。
実はこれ、保管の問題が関係しているんです。お米は保管が悪いと、カビや、虫の発生、肌ズレ(玄米の表面がザラザラと毛羽立ったような状態になる事)など、即、品質の低下につながってしまいます。

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温度15℃、湿度75%前後で保管すると、味が落ちないのです。

これはお米の水分含量がが高いほど発生率が高く、かなり厳格に保管しなければなりません。逆に乾燥したお米ほど保管が楽なわけです。


通常、お米の保管には、温度15℃程度、湿度75%程度が、最適の環境だと言われていますが、集荷されたお米がすべてこのような状態の中で保管できるわけではありません。


政府の備蓄米などは何年も倉庫に寝かすことがありますから、やはり保管重視になってしまうのは仕方ないことなのかもしれません。
産地によっては出先の決まっているお米に限り15%を超える水分含量でも、等級を付けてくれる場合もあるそうです。


さて現在の法律では、この等級を付ける穀物検査を受けなければ、産地、産年、品種名を商品に記載できないと定められておりますので、生産者は水分16%で調整すれば美味しくなるのはわかっていても、等級の付かないお米をあえて出荷するような事は、当然するはずもありません。


ですから16%という高水分のお米が市場に出回る事はまずありません。
だから「幻」なんです。本当に残念なことですね…。この幻のお米食べてみたいと思いませんか?

 

「玄米工房通信」2006年11月1日記事

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【茶碗一杯のごはんで30分の風が吹く!】
『ごはん茶碗1杯分の田んぼ(2〜3株)から1匹の赤とんぼと7000匹のミジンコと5匹のアメンボが生まれ、さらに30分間の涼しい風が吹き渡り、カエルの声が5分間聞こえる』これは、農と自然の研究所代表・宇根豊先生の調査によるものです。


田んぼはお米を収穫するだけでなく、このように私たちが子供の頃に馴染んだ生き物たちを育むのはもちろんのこと、この他にも日本の自然や環境を守る様々な役割を果たしています。


宇根先生の言葉にも「30分間の涼しい風が吹き渡り」とありましたが、ごはん茶碗たった一杯分の稲株だけで30分も風が吹くなんて、信じられないでしょう!?ところが、田んぼの底力実は本当に、すごいんです。

 

【田んぼが生み出す酸素は、なんと6兆円!?】
京都大学名誉教授の満田久輝氏は著書の中で、田んぼの価値について面白いことを書いています。


以下著書より抜粋

『稲の価値はしかし「米の生産」だけではない。
水田は田植え期から収穫の秋まで約半年、人間や動物の呼気を浄化し、酸素を作る。この量を農学者の助けを借りて計算すると、日本で年二〇〇億立方メートルほどに及び、酸素ボンベなら安くても六兆円に当たる。炭酸ガス(二酸化炭素)の吸収まで考えたら、費用は無限大に近くなろう。』


金額で計算するのもすごいけど、こんなに大量の酸素が田んぼから出ていたなんて本当にすごいですよね!?酸素といえばどちらかというと森林の方に目が行きがちですが、田んぼから酸素がこんなに出ていたなんて本当に驚きです。

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【田舎の風が涼しい理由。】
さらには田んぼの水が蒸発して気温の上昇も抑えてくれますし、蒸発した水は雨雲を作って再び大地をうるおしてくれます。宇根先生の言葉通り、いなかの空気はとてもすがすがしく涼しいですよね。


ちなみに風が起きるしくみですが、太陽によって地面などがあたためられると、その近くの空気もあたためられますが、地面、水面、アスファルトそれぞれあたたまり方は場所によってちがうので、空気の温度も場所によってちがってきます。


 『あたたかい空気』は、『つめたい空気』より軽いので、あたたかい空気が上に上がり、つめたい空気が下に流れこんできます。


この空気の動きが『風』になるのです。

 

【ごはん食が温暖化防止になる…!?】
このように日本の環境に大きな役割を担う田んぼが輸入米や、米価の下落、後継者難などの理由でどんどん減ってしまうと日本の環境はどうなってしまうんでしょう…。


田んぼが減って、アスファルトが増えれば、ますます温暖化を助長してしまうわけですよね。
最近ゲリラ雨と呼ばれる異常な集中豪雨も、温暖化の影響とのこと…。

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 「安いし」、「美味しいし」だけで主食のお米さえも輸入に頼り、自給率を減らしてしまうと、大自然からも、さらに手痛いしっぺ返しを受けてしまうかもしれませんよね…。
みんなで日本のごはんをいっぱい食べましょう!

「玄米工房通信」2006年10月1日記事

「田んぼはお米を作るためだけにあるのではありません!」と、声を大にして言う人が増えれば、お米を輸入しようという発想はなくなるのかもしれませんね…。

【田んぼの貯水量は全国のダムの3倍以上。】
最近、温暖化による豪雨や、台風などで、洪水や土砂崩れなどの災害が各地で起こっています。
日本は国土の70%が山地で、傾斜地が多く洪水や土砂崩れが起こりやすい地形をしているのですが、こういった水害や土砂崩れも、実は田んぼが防いでくれます。


日本全国の田んぼの貯水量は、農水省総合食料局のHP資料によれば、およそ81億トン。数字を聞いてもピンと来ないかもしれませんがこの量は日本各地にある治水ダムのなんと3.4倍に相当する貯水量だそうです。


京都大学名誉教授の満田久輝氏は著書「米、再考(集英社刊)」の中で、水田が一定期間保水する雨水の量を、ダムで蓄えようとしたら、概算2兆円を要する計算になったと言っています。
降雨量が非常に多く洪水が起こりやすい日本では雨水をため、ゆっくり川や地下に水を流してくれる田んぼの役割は非常に大きいんです。

また斜面に田んぼがあれば、田んぼのふちに土を盛り上げた畦(あぜ)が土の流出をガードし、土砂崩れも防ぎます。
急な山の斜面に、段々に作られた棚田は土地を守りながら、お米を作る先人たちの知恵なんですね…。

 

【田んぼは地下水をきれいにするフィルター。】
また田んぼは、地下水をきれいにするフィルターにもなっています。
田んぼの土は表面の作土層(さくどそう)とその下の鋤床層(すきどこそう)の2層構造になっており、そこを抜けてきれいな地下水に浄化されて行きます。


ちなみに作土層というのは、稲を植えるために掘り起こされ養分を豊富に含んでいる土の層で、鋤床層というのは、作業する人や機械を支える役割をする水を通しにくい層のことです。
また有害な窒素分は分解されて空気中に放出されてしまいます。


但し、分解されない農薬や化学肥料はやはり地下水の汚染につながりますので、食の安全だけでなく、環境面から考えてもできる限り自然に近い農業を応援したいものですね。

 

【地盤沈下防止にも一助。】
さてこうして地下へしみ込んだ水のおよそ半分は川へ帰り、残りは地下水となりますが、田んぼは地下水と川の水の量のバランスを取りながら水をゆっくり地下に浸透させて、都市開発などで問題になる水の汲み上げによって起こる地盤沈下も防ぎます。


さらには田んぼの水が蒸発して気温の上昇も抑えてくれますし、蒸発した水は雨雲を作って再び大地をうるおしてくれます。

田んぼが日本の環境を支えて.jpg

【日本のごはんを食べることが水害を防ぐ…。】
このように日本の環境に大きな役割を担う田んぼが輸入米や、米価の下落、後継者難などの理由でどんどん減ってしまうと、日本の環境はどうなってしまうんでしょう…。


「安いし」、「美味しいし」だけで主食のお米さえも輸入に頼り、自給率を減らしてしまうと、大自然からも手痛いしっぺ返しを受けてしまうかもしれませんよね…。
みんなで日本のごはんをいっぱい食べましょう!

「玄米工房通信」2006年9月1日記事


写真(左)のように米粒の一部に黒い斑点のあるお米を見つけて、ビックリした経験はありませんか?
時には、毒なんじゃないかと心配するお客様もいらっしゃいます。

【黒い斑点は安全の証?】
実はその反対です。この黒い斑点はむしろ安全の証し!もちろん害毒は一切ありません。
実はこの黒い斑点は、カメムシ君の被害の跡なんです。カメムシの被害にあった斑点米が、何で安全かって!?

実はカメムシを退治するための農薬は一番お米に残留する危険性が高いんです。
今話題の温暖化の影響か、近年、農村ではカメムシの発生が大問題になっています。
そこで各産地の農協では、カメムシ対策が強化されています。
そうです…、農薬散布による一斉駆除です。

 

【カメムシ防除は、農薬残留の可能性大?】
カメムシは通常、林や草むらの中に潜んでいて、稲に穂が付き始めると田んぼに移動します。
そして乳熟期と言われる時期、米粒がまだ形成する前で、もみの中がミルク状になっている時に、カメムシがそのミルク状のお米をチューッと吸うのです。その跡が、米粒に黒い斑点として残るわけです。


さてここで一番問題なのが、この乳熟期という時期なんです。当然、カメムシを駆除するにはこの乳熟期を目掛けて農薬を散布しなければなりません。ところが米粒を形成し始めるこの時期は最も農薬が残留する危険性が高いと言われているんです。ひどいところでは、この時期、毎週のように農薬を散布するところもあります。

水稲栽培ごよみ_s160.jpg

ちなみに右下の印刷物は、ある農協が平成14年に地域の生産者に配布した栽培ごよみ(栽培の指導書)です。
これには穂ぞろい期と傾穂期の2回、多発時にはもう1回、農薬散布をするようにとあります。
穂ぞろい期とは穂が出そろった時のこと、傾穂期とは穂が稔り始めて傾いた頃のことをいいます。
当然お米が形成され始めているのですから農薬が残留する可能性も非常に高くなってきます。

【カメムシに農薬7回?】
さてもう一つ(左下の印刷物)もスゴイですね。「ストップカメムシ4・6・7・8運動」、このポスターの掲載内容ですが、4月、6月、7月には、あぜ道や堤防などの雑草がカメムシの生息場所になるので、除草剤散布や草刈りを徹底し、穂の出る8月には、初旬と10日頃と15日頃の計3回田んぼに直接散布し、多発時には20日頃にもう1回と指導しています。やはり3回〜4回は稔り始めた稲穂に直接散布するわけです。

ストップカメムシ4678運動チラシ_s160.jpg

ちなみに右下の印刷物は、ある農協が平成14年に地域の生産者に配布した栽培ごよみ(栽培の指導書)です。
これには穂ぞろい期と傾穂期の2回、多発時にはもう1回、農薬散布をするようにとあります。
穂ぞろい期とは穂が出そろった時のこと、傾穂期とは穂が稔り始めて傾いた頃のことをいいます。
当然お米が形成され始めているのですから農薬が残留する可能性も非常に高くなってきます。

カメムシ_s160.jpg


知っていれば、黒い斑点を見るたびに「こいつもカメムシ君に食われてしまったのか。さぞかし美味かったんだろうな…。」とほのぼのできますが、知らないと「異物混入だ、大変だ、毒じゃないのか!」なんて大騒ぎになってしまいますよね。


今晩炊いたお米で、ほのぼのと「安全の印」探してみて下さい。

あなたは『見えない危険』と『見える安全』どちらを選びますか?

「玄米工房通信」2006年8月1日記事

米虫君イラスト_s160.jpg

さて今回はみなさんの嫌いな虫のお話です…。

なぜそんな話をするかって!?

それはみなさんがその嫌いな虫にお会いしないよう、予備知識を身につけていただくためなんです。ちょっと嫌かもしれませんが、本当に嫌な虫に会わないよう、少しの間お付き合い下さいね!


さてその米虫が、発生しやすいのは、6月の梅雨時期から、残暑の9月末頃までです。

米虫は高温多湿を非常に好みます。
この時期でなくてもそんな状況があれば、虫は出てくるものだと思っていて間違いありません…。

 

【18℃以下なら安全。】
ちなみに米虫は18度を超えると活動をし始め、22度を超えると卵が孵化し始め、繁殖すると言われています。ですから18度以下であれば、まず虫がわく心配はありません。

 

【家庭では冷蔵庫保管!】
お米に最適な保管環境は、温度が15℃前後、湿度は75%前後だと言われています。
1年中この環境の中にしっかりと保管していれば、1年たっても新米と遜色ない美味しさが味わえます。

実は温度については15℃以下でも良いのですが、温度差で結露して水滴がついたりするとカビなどの原因になるので、お米専門の低温倉庫では例外なく15℃前後の温度帯で保管されています。ですからすぐに炊飯してしまう家庭では、タッパーやペットボトルに入れて冷蔵庫で保管するのも良い方法です。

 

【お米は呼吸している。】
意外に最適湿度が高いのに驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は過乾燥もお米の味を落とす原因のひとつです。

お米の水分含有量は15%前後。お米は呼吸していますから、過乾燥な環境にあればお米も過乾燥になって味も落ちてきます。

 

低温の中で、75%前後の湿度があれば、この含有水分の均衡が取れるようなんです…。
そんなわけで、温度と湿度にちょっとだけ気を配れば、虫とご対面することなく、1年中美味しいお米を食べることができるんです!

間違っても水道下の収納庫などには絶対入れないで下さいね…。

 

コクゾウムシWANTED_s160.jpg

【コメ虫もいろいろ…】
さてコメ虫とひとくちに言っても、その種類はいろいろですが、よく皆さんをお騒がせするのは、「コクゾウ虫」と「コクガ」と呼ばれるノシメマダラメイガという虫です。

「コクゾウ虫」は体長3mm程度、カブトムシを超ミニチュアにしたようなヤツです。

生息期間は7ヶ月程度で、その間に約380個もの卵を産みつけます。

ですからコイツが出始めると、あっという間にワラワラと増えてこざかしい軍団になります。

コクガWANTED_s160.jpg


「コクガ」は体長1cm程度の小さな蛾ですが、良く見かけるのは、幼虫の方です。
幼虫は、体長1cm程度のイモムシみたいなヤツです。糸を吐き米や米くずを綴り合わせて繭を作り、サナギから成虫になります。


コイツも1匹の成虫が200個の卵を産みつけるから繁殖力抜群の厄介な虫です。この他にも数種類、お米に湧く虫がいます。

【もっと恐ろしい…コメ虫の湧かない米。】
さてそんなコメ虫たちよりもっと怖いのが、虫さえも湧かないお米です…。平成5年の不作の年に海外からお米が緊急輸入されました。


この年、日本子孫基金が輸入米の残留農薬問題をテレビニュースなどのマスコミを通じて発表しましたが、日本子孫基金の実験によれば、輸入米それぞれに50匹のコクゾウ虫を入れ、1週間放置すると、アメリカ米で17匹、タイ米で36匹、オーストラリア米では何と50匹すべてが死んでしまったそうです。


これは船積みの時に施すポストハーベスト農薬が最も大きな要因だそうです。

「玄米工房通信」 2006年7月1日記事

先日5月7日(2006年5月7日)「あるある大事典」で玄米が特集されました!


テレビの力ってやっぱりすごいですね…。

先日5月7日に、フジテレビ系「発掘!あるある大事典」で、「全部わかった?!玄米の真の実力」と題して、玄米の特集が放映されましたが、その後お米屋さんには玄米の問合わせが殺到しているそうです。

 

テレビ画面1.jpg

【玄米で、便秘改善とダイエット効果大!】
番組内で、玄米を1日1回は食べるという人、千人にアンケートを取ったところ、様々な効果が得られたという回答が集まったそうです。

特に多かったのが、便秘改善と、ダイエット効果だそうで、アンケート回答者1000人中、644人、なんと約3分の2の人に効果があったとのことでした。

テレビ画面3.jpg

【医食同源 病気改善の事例も…。】
番組内で、もうひとつ効果が出た事例として紹介されていたのが、病気の改善でした。こちらは千人中、27人と少数ではありますが、重度の2型糖尿病と診断された人が、食事を玄米に変えて半年で薬の必要がなくなるほど改善したとの事例報告もありました。

 

【効果の源は、ぬかと胚芽の栄養価。】


①食物繊維が白米の6倍

玄米と白米の食物繊維の差は、なんと6倍、その差は茶碗一膳分で、ところてん3杯分もあるそうです。

②ビタミンは4〜14倍も。

ビタミンEは14倍、B群も4〜5倍も白米より多く、その栄養価はなんとアーモンド25粒分、豚肉なら3枚分、イワシで2尾分、ブリ半身分の食材に相当するそうです。

③ミネラル分も3〜5倍!

鉄分、カリウム、マグネシウムなどのミネラル分も3〜5倍。
レバーなら19g、バナナ28g、納豆なら1パック分に相当する量の栄養価だそうです。

 

玄米くん_s160.jpg

【食べにくさの克服と効果を高める方法】
アンケートでは、効果を実感できない人も千人中291人いました。
これは玄米がもともと消化吸収しにくい食品だそうで、よく噛まないと効果が出にくいのだそうです。
また玄米はパサパサして食べにくいとの声もあり、この2大デメリットを克服する炊き方が番組で紹介されました。以下にそのレシピをご紹介しますので、ぜひお試し下さいね。
玄米食べて元気になろう!


【ギャバも約2倍に増える 簡単!玄米の美味しい炊き方 発掘!あるある大事典編】

① 玄米3合につき、大さじ2杯のプレーンヨーグルトを入れ、よくかき混ぜます。
② この時、ヨーグルトの固まりが残らないよう気をつけます。
③ 30分〜1時間漬け置きします。
④ あとは玄米モードで普通に炊くだけで出来上がり。

 

【炊飯器に玄米モードがない場合】
玄米をあらかじめ手で強く研ぎ、表面にキズをつけて水が中に浸透しやすいようにします。
さらに漬け置きの時間を2時間にすると白米モードでも美味しい玄米が炊けます。
ヨーグルトが水のpHを下げ、アミラーゼが活性化することにより、玄米特有のパサパサ感がなくなり、甘みが増して食べやすくなります。
しかもギャバが、通常の約2倍に増えるとのことです。

 

【出典】
発掘!あるある大事典のホームページ
http://www.ktv.co.jp/ARUARU/

「玄米工房通信」 2006年6月1日記事

お米が美味しくなったり、まずくなったりする要因はたくさんあります。

品種、栽培の違い、気候風土の違い、乾燥調整の違い、保管状態、精米、炊飯などそれぞれの過程がすべてお米の味に影響してきます。


精米、炊飯など2次的な要因は別として、明らかにお米そのものの味が良いもの、悪いものがありますが、これはいったい何が違うのかご存知でしょうか?

 

【美味しさの決め手になるお米の成分。】
実はお米に含まれるデンプンとたんぱく質が、味の良し悪しを決定付けるカギを握っています。


まずお米に含まれるデンプンについてですが、お米のデンプンにはアミロースとアミロペクチンという性質の異なった2種類の成分から構成されています。

 

①アミロースが低い
このデンプン中のアミロース含量の比率が低いお米ほど炊飯したときに粘りが強くなり、日本人は美味しいと感じる人が多いようです。

 

通常うるち米(もち米ではない普通のお米)ではアミロース対アミロペクチンが大体20:80で、もち米に至っては0:100となります。

最近ではアミロース含量が低くなるように品種改良されたミルキークィーンに代表される「低アミロース米」もいくつか開発されています。

 

②たんぱく質が低い
またお米に含まれるたんぱく質の含量が多いと食味が落ちると言われています。

お米のたんぱく質はごはんを炊くときにデンプンの膨潤を抑えてしまう働きがあり、その結果、粘りが弱くなってしまうわけです。

 

③水分が高い
またお米に含まれる水分も食味を決定付ける大きな要因になります。

通常のお米であれば玄米で15%前後の水分を含んでいます。水分の含量は多いほど美味しいと感じられます。

 

【保管方法で新米の味が1年中楽しめる!?】
保管方法でも味は大きく変わります。

何年もたったお米や、保管状態が悪いお米は、古米臭がしたり、パサパサしてまずくなりますが、それは玄米に含まれる3%程度の脂肪が、酸化する(脂肪が脂肪酸とグリセリンに加水分解され遊離脂肪酸が増加すること)というのが原因です。

 

しかし低温貯蔵することによってこの古米化はかなり抑えることができます。

 

この古米化(遊離脂肪酸の割合)を見るのが脂肪酸度ですが、古米の脂肪酸度は30を越えるのに対し、低温貯蔵米なら、新米と大差のない20以下、つまり低温貯蔵をすることで1年中新米とほとんど変わらない美味しさを維持できるということなんです。

 

このお米の低温貯蔵は、温度15℃、湿度75%前後が最適だと言われています。

【生産者の栽培技術が、美味しさの差!】また美味しいお米のできる条件として第一に品種、第二に栽培技術、その次に土、水、気候、つまり美味しいお米を作るには①種、②人、③自然の順に大切ということです。 

山形県鶴岡市 百瀬弘和さん

なぜなら、これらが冒頭にお話したお米の成分に大きく関わってくるからです。

コシヒカリ、あきたこまちといった品種の違いでアミロース含量も違います。

また食味を低下させるたんぱく質やチッソ含量などは栽培の違いでも変わります。

栽培技術がしっかりしていれば品種や自然条件が少々劣っても美味しいお米ができます。
美味しさや安全性を重視するなら、生産者選びはとても大切です。

「玄米工房通信」 2006年5月1日記事

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