ピュアネットジャパン株式会社が、会員向けに発行する月刊情報誌「玄米工房情報ふぁ〜む」の連載コラム「関根珈琲舎」のバックナンバー記事です。

 

月刊コラム 関根珈琲舎 《もくじ》

第46回 「栽培技術の違いが美味しいお米を作る」

      その3 有機栽培はほんとうに美味しいのか?2010/7/1

 

第45回 「栽培技術の違いが美味しいお米を作る」その2 への字とV字 2010/6/1 

第44回 「栽培技術の違いが美味しいお米を作る」その1 密植栽培・疎植栽培 2010/5/1 

第43回 「お米の品種は、なんと400種類!」2010/4/1

第42回 「安全なお米を選ぶ秘訣」2010/3/1

第41回 「縦割り行政に翻弄された低タンパク米」2010/2/1

第40回 「魚沼コシヒカリは本当に美味しいのか?」2010/1/1 

第39回 「皇室献上米と勤労感謝の日の意外な関係」2009/12/1 

第38回 「温室効果ガスと自給率の関係」2009/11/1

第30回 「言葉にして早く実現できた夢の移動オフィス」 2008/11/1

第29回 「事故米、汚染米の危険性って?」 2008/10/1

第28回 「お米を食べると、CO2が減る!?」 2008/9/1

第27回 「1杯のおいしい珈琲から学ぶこと」 2008/8/1

第26回 「目的の夢と手段の夢」 2008/7/1

第25回 「静かに始まっている!?史上最悪の世界食糧危機。」 2008/6/1

第24回 「継続することの大切さ」 2008/5/1

第23回 「夢の移動オフィス」 2008/4/1

第22回 「Life is very short.」 2008/3/1

第21回 「理論と実践」 2008/2/1

第20回 「恒例!楽しく未来を考える人生企画合宿。」 2008/1/1

第19回 「どんぶり勘定の恐怖…」 2007/12/1

第18回 「現場に出向くことの大切さ」 2007/10/1 

第17回 「結婚について」 2007/9/1

第16回 「捨てること」 2007/8/1

第15回 「本当に怖ろしいお米の話」 2007/6/1

第14回 「一点集中主義」 2007/5/1

第13回 「正道を行く」 2007/4/1

第12回 「感謝のバランス」 2007/3/1

第11回 「やりたいこと年間カレンダー」 2007/2/1

第10回 「人に伝えることの大切さ」 2007/1/1

第9回 「人の色」 2006/12/1

第8回 「ユダヤ人の付加価値」 2006/11/1

第7回 「自信」 2006/10/1

第6回 「健康5か条」 2006/9/1

第5回 「夢に日付けを」 2006/8/1

第4回 「儲ける」 2006/7/1

第3回 「信念」 2006/6/1

第2回 「明元素」 2006/5/1

第1回 「ローマクラブ」 2006/4/1

 こんにちは!

ピュアネットジャパン株式会社 社長の関根弘幸です。 

前回に引き続き、今回も、お米を美味しくする生産者の技術の違いを

ご紹介したいと思います。 目次はこちら 

 

皆さんは、有機栽培米にどんなイメージを持っていますか?  なんとなく「安心、安全」「体に優しい」「地球に優しい」「価格が高い」などの

イメージをお持ちではないかと思います。

 では、果たして味はどうなのか。

安全なのはいいけれど、せっかく高いお金を出して買うのだから、

まずいお米では、ちょっと困りますよね。

 ところが「有機栽培米は、あまり美味しくないんだよ」という意見を持つ人が

時々いるんです。

 有機栽培米を扱い始めた当初、「有機栽培米の味」が一般のお米と比べて

美味しいのか、まずいのかというのは、私共にとっても、とても大きな関心事でした。

 

 さて有機栽培米は、美味しいのか、それともまずいのか。

結論から申し上げますと「美味しい場合もあり、まずい場合もある」と、いうことです。

えっ、答えになっていない?

確かにそうですね…。

 

要するに「作る人次第」という事なんです。

これが、有機栽培米は美味しくないという人がいるワケですね…。

 

 一般の栽培に比べて、有機栽培は技術の差が、味の差になってしまう確率が

高いのです。

 生産者は、稲の状態を毎日観察し、生育状況にあわせて、その都度必要な

肥料を与えます。

 一般栽培で使う化学肥料であれば、どの程度の養分が入っているかも

わかりますし、稲が直接吸収できるので、すぐに効果が期待できます。

 ところが有機肥料の場合は、土中の微生物が分解してくれないと、

稲が養分を吸収することが出来ませんし、どの程度の養分が入っているかも

判断が難しいのです。

 

 人間で例えると「化学肥料=サプリメント」、「有機肥料=食べ物」と思うと

わかりやすいかもしれませんね。

 サプリメントは、飲めば栄養分が体に直接吸収されますが、食べ物は

体の中で分解されないと、栄養分が吸収できません。

 そう考えると人間も、植物も一緒ですよね。

 例えば人間だって、サプリメントだけを飲んで生き続けられませんが、

稲だって、ジャブジャブと化学肥料だけで育てることは難しいでしょう。

 ちなみに化学肥料漬けの畑は、冷たく固い土になってしまいますが、

有機栽培の畑は、柔らかく、温かいのです。

現場の土を触ってみると本当にビックリするくらい違います。

 

 以前、ある生産者がレンゲ農法で失敗した話を聞かせてくれました。

レンゲ農法とは、収穫後の田んぼにレンゲ草を生やして、田植え前には、

そのレンゲ草を肥料代わりに田んぼに鋤き込んでしまうという方法です。

 きれいなレンゲ草は、観賞用にもとてもいいし、肥料にもなるから一石二鳥だと

思ってやったそうなのですが、田んぼの中でじっくりと分解されて、

とんでもない時にチッソ過多(肥料が効きすぎ)になってしまい、

とてもまずいお米になってしまったというお話しでした。

 

 そんなわけで、有機栽培米ほど、技術の差が味の差になるということなのですが、

総体的に見てみると、有機栽培や特別栽培農家のほうが一般の農家よりも

美味しいお米をつくることに意欲のある方が多いため、やはり味でも、

特別栽培米や、有機栽培米に軍配が上がることが多いようです。

 

 ちなみに、化学肥料で栽培したお米は淡白な味、有機栽培だと滋味深くなる

とも言われています。

 

 それではまた来月!

 こんにちは!

ピュアネットジャパン株式会社 社長の関根弘幸です。 

前回に引き続き、今回も、お米を美味しくする生産者の技術の違いを

ご紹介したいと思います。 目次はこちら 

 

 生産者の栽培技術が大切っていうけど、栽培でそんなに味が違ったりするものなの?

結局は土と水がものをいうんじゃない!?

 ハイ、当たり前の疑問だと思います。実は私も最初はそう思っておりました。

 よく山沿いの粘土質土壌が良いとか、海沿いの砂地は美味しいお米ができないとか、

昔、川が氾濫したところは美味しいお米が取れるとかいうことを良く耳にします。

 

 これは地力という言葉を良く使いますが、その土壌に含まれる微量要素などの

含有量が、山沿いや川の氾濫地域にはもともと多かったり、海沿いには少なかったり

という傾向があるということなんです。

 

 でも海沿いでも立派に美味しいお米を作る人もいれば、美味しいといわれる

山沿いの地域でとてもまずいお米を作ってしまう人もいるんです。

 これはなぜでしょうか?

実は、生産者自身がその土地に合った施肥設計をしているかどうかが

運命の分かれ道となっています。

 

 「ヘの字」といっても、かかしの顔の「へのへのもへじ」のことではありませんヨ…。(笑)

これは土中のチッソの効き方を、文字の形に例えて表したものなんです。

お米を作る上で必要とされる3大養分は、チッソ、リン酸、カリ(カリウム)です。

その中で稲の生育や、食味(お米の美味しさ)と最も関係が深い養分は、

チッソだと言われています。

 チッソ肥料の量や、散布するタイミング一つで、お米が美味しくなったり、

まずくなったりします。

この他マグネシウムなどのミネラル分も食味に影響するといわれていますが、

特にチッソ肥料に関しては出穂2週間前あたりからの土中のチッソ含量が

味の決め手になってきます。

 この頃からみのりの秋までにチッソ分がきれいに消化できてしまわなければ

お米がまずくなるどころか、稲の病気も出やすくなってしまいます。

 「への字型稲作」というのは、チッソの効き方が右下がりに落ちて行く様を

「へ」の字にたとえているわけですが、出穂までにチッソを適度に消化させて、

健康な稲を育て、食味を上げることが出来ます。

 

 これに対し、V字型というのは、その字のごとく、はじめにたくさんチッソを与えて

早いうちに稲の成長を促し、出穂前後からまたどんどんチッソを右上がりに

効かせて行くという「への字型」とは全く逆の理論です。

 

 実はこの「V字型稲作」は農薬の進歩と共に確立したものなんです。

先ほど申し上げました通り、後半のチッソ過多は稲の病気につながります。

そうした病気を農薬で防げるようになってから、この「V字型稲作」が日本全国で

一般的な稲作技術となったのです。

 

 このV字型では、味が格段に落ちてしまいますが、お米の収量が増えるという

メリットがあります。

 

まさしく量を取るか、質を取るかということなんですね。


(写真)出穂2週間前の稲。
この時期にチッソが残りすぎると葉の緑が濃くなり、お米がまずくなってしまいます。

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 こんにちは!
ピュアネットジャパンの関根弘幸です。
 今回はお米の栽培技術のお話です。

 美味しいお米というのは、一体、何が違うのか? お米の流通が食管法で管理されていた時代(平成7年より前)では、

新潟の魚沼産が美味しいとか、秋田の仙北産が良いとか、

産地と品種で判断するしかありませんでした。

 流通が自由化された今では、「生産者の顔が見えるお米」は当たり前に

販売されていますが「生産者の顔が見える=安心」だけがメリットではありません。

 

 実は、生産者それぞれの栽培方法や、乾燥調整などの技術で、

安全性だけでなく、美味しさも格段に変わります。

 美味しいお米が出来る条件は、「①種、②人、③自然」の順に大切だと言われます。

種というのは、コシヒカリ、あきたこまちなどの品種、

人というのは、生産者の栽培技術、

自然というのは、土、水気候などの自然条件。

特に栽培技術については、品種や自然条件が少々劣っても、

そこそこの食味は出せるといわれるほど、大切な要件です。

 

事実、多くの生産者と十数年来、関わってきた私共の経験からも、

埼玉などの生産者が、新潟米にも引けをとらない美味しいお米を作るというのは、

珍しいことではありませんし、上手な生産者は、毎年の味や品質のバラツキも

他に比べて、少ないということを実感しています。

 

そこでこうした栽培技術の違いを、ご紹介してみたいと思います。

 

今回はその第1段として、「疎植栽培」をご紹介します。

疎植の反対は、密植といいます。

疎植とは、その字の通り稲を植える密度を少なくするということです。

こうすることで、稲一株一株が、広く根を張り、たくさんの養分を吸収できるとともに、

稲全体に日の光が良く当たることで、光合成が進み、生育の良い健康な稲が育ちます。

また株と株の間が広いため、風通しもよく、

稲の病気や害虫も防げるという利点もあります。

「そんなにイイコトづくめなら、誰でもやるんじゃないの?」と言われそうですが、

実はそうでもありません。

 

写真Aは、一般の生産者さんの田んぼ、写真Bは疎植栽培をする生産者さんの

田んぼです。

疎植栽培では、1坪当りの株数も一般から比べると、20株以上少なく植える生産者も

いるほどです。

写真Bを見てわかる通り、普通の田んぼと比べると、ちょっと弱々しい感じが

してしまうほど、少ないですよね。

 

 実は、収穫量を減らしたくないと考える一般の生産者には、

こうした疎植での植え付けは怖くて、なかなか出来ないのだそうです。

次号につづきます。

目次はこちら

庄内米30kg袋

こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

唐突に質問ですが、みなさんは、お米の品種が何種類くらいあるか

ご存知ですか?

 

 コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ、ササニシキ、はえぬき、

ミルキークイーン、もち米、酒米、古代米、この他にもいくつかあるようだから…、

う〜ん、30種類?いやいや50種類?

 

 

市販されているお米は、品揃えの良いスーパーの店頭を見ても、

せいぜい10種類あるかないか…ってところですよね。

実は、お米の品種は、現在日本で実際に作られているものだけでも、

ざっと400種類ほどあります。

毎年、新しい品種が育成されたり、生産をやめる品種があったりで、

年ごとに多少の増減はありますが、その内訳はおおよそ、

うるち米230種類、もち米80種類、酒造用米50種類、古代米10種類、

新形質米30種類といったところです。

 

思ったよりも多いのでビックリしたのではないでしょうか。

日本でも北は北海道から、南は沖縄までお米が作られていますが、

北海道の気候では、コシヒカリが作れませんし、九州では、コシヒカリが作れても

早生品種(早く育って他の品種より早く刈り取るお米)として、

あまり美味しくできません。

そのため地域ごとに、その土地の気候や、自然条件に合った品種を開発しています。

関東、北陸などでは、圧倒的に、コシヒカリですが、九州など西の方に行くと、

ヒノヒカリの方が美味しいお米として有名です。

また北海道では、きらら397、ほしのゆめ、おぼろづきなど、本州では作られて

いないお米ばかり…。

さらには、もち米や酒米など、用途別に分類されますので、

結果的にこんなにたくさんの品種になってしまうのかもしれませんね。

 

ちなみに用途別にお米を分類してみると、

うるち米は、私たちが通常食べているお米。

コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれなどが、うるち米です。

もち米は、お餅をつくったり、赤飯やおこわにしたりするお米。

品種では、こがねもちが特に有名ですが、やはり、産地ごとに適したもち米があり、

もち米の品種だけでも、80種類ほどあります。

 

酒造用米は、その名の通りお酒の原料となるお米。

五百万石や山田錦が有名ですね。

 

古代米は、黒米や赤米のことですが、これらも朝紫やベニロマンなど

いくつかの品種があります。

最後に新形質米ですが、これは病態食として開発されたLGCソフト、春陽などの

低タンパク米や、はいみのりといった巨大胚芽米など、

機能性や特定の付加価値を目的として育成されたお米のことです。

 

市場に出回っているお米は、ほんの数種類なのに、こんなに多くの品種が

あったなんて本当に驚きですよね。

 

さて産地において「お米の味を決める3要素」は、

①種、②人、③自然の順に大切だと言われます。

要するに一番大事なのは、「品種」。

次の「人」というのは、肥料設計や土作りなど栽培技術のこと。

3番目に、気候や水など自然環境がお米の味に影響するということです。

ですから各産地で、コシヒカリを超える品種を開発しようと躍起になっている

わけですね…。

最近開発されたお米では、北海道の「ゆめぴりか」や山形の「つや姫」などが、

「コシヒカリを超えるお米」というキャッチフレーズで、話題になっています。

 

確かに、品種は味を決めるひとつの要素ですが、栽培や乾燥調整でも

味は変わりますし、人それぞれ好みもありますから、コシヒカリなどの銘柄に

こだわらず、ぜひいろいろなお米を食べ比べしてみて欲しいと思います。

 

それではまた来月!

関根弘幸201004

 こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。
今回は、同じ特別栽培米でも雲泥の差…安全なお米の選び方のお話です。


 「無農薬米が安全だということはわかるけど、減農薬米って無農薬と比べてどれくらい安全なの?」
 お米を買う時、こんな疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 最近では、お米屋さんやスーパーでも、当たり前に「特別栽培米」などと記載されたお米を見かけるようになりました。
 「特別栽培米」とは、ご存知の通り、農薬や化学肥料を減らして安全性に特化したお米のことです。
 ちょっと前に中国産の冷凍野菜から基準値の何十倍もの農薬が検出されたなんてニュース報道がありましたが、やはり買う側の立場としては安全性も選べるようになってくると安心ですよね。

 

 さて、特別栽培米の基準ですが、地域の一般農家が使う農薬や化学肥料の平均的使用量の5割以下の使用までを特別栽培米とすると農水省の条例で決められています。ただし一般農家が使うとされる平均値が各県ごとに異なります。
 ですから厳密にいえば、県ごとに特別栽培米の基準が違うということになります。
 例えば、特別栽培米として認定される農薬の使用量は、新潟県なら6成分以下、宮城県7成分以下、秋田県8成分以下、茨城県5成分以下、千葉県は7成分以下などと県ごとに基準を定めています。(平成14年データによる)

 

 各県ごとにこうした違いがあるのは、地域の環境や気候などにより、稲の病気や害虫などが、出やすい地域、出にくい地域の格差があるためです。
ちなみに農薬の使用量を「成分」と表現する理由ですが、最近の農薬は、1回の散布で同時にいくつかの効果をもたらす「1粒で2度おいしい」(笑)みたいな農薬があるためなんですね。
 同じ1回の散布でも2回散布の効果を持つもの、3回4回撒いたのと同等の効果をもつものなど、いろいろあります。

 

 さていよいよ本題の安全性についてですが、農水省が決めた現行の条例では、無農薬米も、5割減の減農薬米も、同じ「特別栽培米」という表記をしなければならないということになっています。  ですから「特別栽培米」と記載されていても、その内容には雲泥の差があります。
 できる限り無農薬に近づけようと一生懸命取り組んでいる生産者にしてみれば、「半分以下でOK」の「特別栽培米」とひとくくりにされるのは、実は不本意なようです。
 ということで特別栽培米を購入する際には、その栽培内容に注意することがとても重要です。

 それでは、どのようにその安全性を見極めたら良いのでしょうか?

 その見極めポイントは、殺虫剤の使用回数です。
減農薬の場合、大半は、初期生育段階で除草剤を使いますが、この初期除草剤がお米に残留する可能性は、ほとんどありません。
 問題なのは、稲穂が出てくる頃の夏場に散布する殺虫剤です。
 最近では温暖化の影響で全国的にカメムシの被害が深刻です。このカメムシ対策の農薬散布は、通常夏場に行いますが、多いところでは、なんと7〜8回も散布します。
この時期に散布する農薬は、お米に残留しやすいと言われています。
 この点だけ注意すれば、特別栽培米の安全性は、おおむね確保できると思っていいと思います。
 ですから安全なお米を食べたいと思ったら、こうした農薬使用状況の詳細についてもしっかり調べてアドバイスしてくれるお米屋さんを選ぶことが大切です。
 ※玄米工房取り扱いのお米は、各農家さんから、栽培管理報告書(下図)をもらってますので、農薬や化学肥料の状況も明らかになっています。会員店加盟店の皆様で分からないことがありましたら、本部までご一報ください。

 それではまた来月!

栽培管理

 こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。


今回はあまり一般の方には知られていない、あるお米の話です。

 

 「LGCソフト」、「LGC1」、「春陽」といった名前のお米を聞いたことがありますか?

きっと市販されているのを見たことがある方は、ほとんどいないのではないかと思います。
 実はこれらのお米、腎臓病患者向けに開発されたお米なんです。
 「
低タンパク米」とも言いますが、通常は「低グルテリン米」と呼ばれます。
 これは体内で消化されやすく腎臓に負担をかけるタンパク質「グルテリン」が少ないことに由来しています。

 

 日本国内で、人工透析を余儀なくされている腎不全患者は20万人を超え、毎年約1万人ずつ増えているそうです。
さらには、人工透析に至らずとも腎疾患を抱える患者はその3倍の約60万人。10万人に対して、500人いるというほどの数字です。
 さてこの人工透析療法に入ると4〜5時間もかかる透析を、週に3回も受けなければなりません。
これは患者の身体的負担が大きいだけでなく、当然のことながら、仕事や生活にも大きな制限を強いられることになります。
 また人工透析療法の医療費は、総医療費の3.3%以上を占め、年間1兆円を超えています。
 このように大きな社会問題となっている腎疾患ですが、慢性になると、現代医療でも根本的に完治させることはとても困難です。

入院画像

 そのため食事療法を用いて、腎臓に負担をかける食塩、カリウム、リン、タンパク質、水分などの摂取を制限し、人工透析が必要なほどの悪化を防ぐというのが、一般的な医療現場での方針となっています。  この食事療法には、これまで人工的な加工処理で、タンパク質を低減したレトルトパック米飯などが用いられてきましたが、値段が高い上に、美味しくないということで、こうした低タンパク米の開発が始まりました。

 

 そしてまず開発された低タンパク米が「春陽」と「LGC1」。 

レトルトパックではなく、普通のお米の病態食として期待大でしたが、食味の評価はいまひとつでした。

 そこで新たに開発されたのが、「LGCソフト」です。
 「LGCソフト」の「LGC」は、Low Glutelin Content=グルテリンが少ないこと、「ソフト」は、柔らかく粘って美味しいことから命名されました。

 

 さて、これらの「低タンパク米」の開発に携った独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構は、旧農林水産省試験研究機関。まさしく農林水産省の全面的なバックアップで叶ったお米でした。
 ところが生産流通が実施され始めて間もない平成14年、これらのお米に対して
厚生労働省が、「低タンパク米」、「腎臓病患者向け」といった表記を厳格に規制するという事態が起こりました。
これは、新たに制定された「健康増進法」の基準に合わないとのことによるものでした。

 

 結果的に、農水省が腎臓病患者向けに開発したものを、厚生労働省が却下したという形になってしまいました。
そして「
告知することのできない腎臓病患者向けのお米」…はその後、生産する者も、販売する者も激減し、今に至るというわけです。

 

 もし「LGCソフト」にご興味のある方は、弊社までお問い合わせ下さい。

 ただしLGCソフトは、消化しやすいタンパク質が、普通のお米に比べて3分の1程度少ないということだけで、腎臓疾患の予防や治癒効果があるというものではありませんので、病態食としてお考えの方は、必ず専門の医師、および栄養士に、相談して下さい

 

それではまた来月!

弘写真201001.jpg

明けましておめでとうございます。 今年も面白い情報をお届けできるよう頑張りますので、何卒よろしくお願い致します。


 さて今回は、誰もが日本一美味しいと思っている魚沼コシヒカリについての話題です。
私がお米に関わった15年間の経験からの見解も織り交ぜてお話しします。

 

 さて2002年のこと…。
当時、次々と出てくる偽装事件の影響でしょうか、松坂牛ブランドの畜産地域を限定するという話題がTV等で報道されていました。
 指定された地域内で一定期間飼育された牛は、松坂牛として高価な値段で市場流通されるという話。
その地域に入っているか、外れているかで牛の価格は雲泥の差があるそうです。
 この一報を受けて、牛たちと共に指定地域内に引っ越しをした畜産農家もいるとか…。
 またこれとは逆に古くから松坂牛生産農家として良質の肉牛を出荷していた生産者が指定地域から外れてしまったことで、松坂牛ブランドは外され、出荷値段も大暴落との話でした。

 

確かに水や気候風土など、牛の飼育に合った土地柄というのもあると思うのですが、味や品質を維持するためには、むしろ飼育の仕方や、与える飼料、あるいは牛の品種などの方が大事だと思うのです。

 この話題を耳にした時、畜産の流通も「お米と全く同じ問題点」を抱えているのだという事に気づきました。

 

 お米は、「魚沼産」だから、「秋田県産」だから、「新潟米」だから、美味しいといったイメージは誰もが持っています。  俗に言う「産地銘柄信仰」というやつです。
松坂牛、米沢牛のように、牛肉と全く同じですよね。
産地で相場が全く変わってしまうわけです。
だからこそ今話題の偽装事件が後をたたないのかもしれませんね。

 さて美味しいお米はどこが違うのか?
実は先ほどお話しした牛と全く同じ…。
 産地よりも栽培方法や、肥料、品種の方がずっと、ず〜っと大切なんです。

 美味しいお米の出来る条件として、ある専門家は
「①種」、「②人」、「③自然」の順に重要だと指摘しています。
 ①の「
」というのは、コシヒカリやあきたこまちといった良食味品種を選ぶことがまず重要ということ。

 そして次に重要とされる②の「」というのは、土作りや施肥設計(散布する肥料の内容や、量、まく時期などを決めること)などを含む生産者の栽培技術を指します。
 最後に気候風土や天候条件など、③番目の「
自然」ということになります。

 

 ところが平成7年までは、一部の例外を除いて、農家が消費者やお店に直販することは法律で禁じられていました。
要するに、それまでは②の「人」でお米を選ぶことができなかったわけです。
各産地ごとに、銘柄を分けるしか方法がなかったんですね。
ですから「秋田県産」とか「新潟県産」で判断するしか方法がない中で、できた産地銘柄ブランドだったわけです。

 

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 お米の味は、生産者の作り方で本当に違います。
ちょっとした魚沼産米より、埼玉や茨城の上手な生産者が作ったお米の方が美味しかったなんて話は当たり前にある話しです。
お米を買うときは、ぜひ作り手に着目してみて下さいね。ではではまた来月!

皇室献上米農家.jpg

信州ファーム荻原さんより、つい先日、皇室献上米に選ばれたとの連絡が入りました。

そしてこの11月23日に皇居に紋付袴で献上に行ったそうです。

荻原さん、おめでとうございます!

 

 さてそこで今回は皇室献上米についてのお話しをしてみたいと思います。  「皇室献上米」という言葉は耳にしたことがあっても、宮内庁に届けられるお米なんだろうな…という程度の認識しかない方が多いのではないでしょうか?

 

 実は、皇室献上米というのは、毎年11月23日に行われる「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれる宮中での行事に使われるお米のことなんですね。
(ちなみに「新嘗(にいなめ)」とは、その年に収穫された新しい穀物のことをいいます。)

 

 さて11月23日といえば…? そう、勤労感謝の日。たまたま偶然に新嘗祭が、勤労感謝の日に当たったわけではないんですヨ。
 実はこれには、とても深い関係が、あるんです。

 

さてその「勤労感謝の日」ですが、戦後の昭和23年(1948年)に「国民が勤労を尊び、生産を祝い、互いに感謝し合う日。」として制定されました。  実は、この勤労感謝の日、第二次世界大戦後のGHQの占領政策の中で、天皇行事である「新嘗祭」を勤労感謝の日として改めたという経緯があります。


 この1948年当時、日本はまだ米軍の占領下にありましたが、占領軍の中では、国家神道と結びついた「新嘗祭」という行事を危険視する動きがありました。
 それがきっかけとなって、米国の「Lavor Day(勤労の日)」と「Thanksgiving Day(感謝の日)」を併せた「Lavor Thanksgiving Day(勤労感謝の日)」が考案されたという話です。
 戦前から軍国主義そのものといった感じの当時の日本は、今の北朝鮮と同じように思われていたのかもしれませんね。

 

 「新嘗祭」そのものは、国を挙げての収穫祭といった感じのもので、天皇が国民を代表して、農作物の恵みに感謝するという式典です。  いつ頃から行われていた式典なのかは、はっきりしていないようですが、古くは642年、皇極天皇の時代に、行われたという記述が日本書紀に残っています。

 

 また昔は、新嘗祭が終わるまで、その年の新米は誰も食べないというのが習わしだったそうです。
 歴史のあるとても大事な式典だったということが、このことで良くわかりますね。

 

 新嘗祭でも、天皇が即位して最初に行うものを特に「大嘗祭」といい、これが実質的にその天皇の即位を天下に知らしめる大規模な祭典となっていたそうです。
 直近では、1990年(平成2年)11月に今の天皇陛下即位に伴う大嘗祭が執り行われました。

 

 そんなわけで、勤労感謝の日にとり行われる「新嘗祭」に、奉納されるお米を一般的に「皇室献上米」と呼びます。


 皇室献上米は毎年、いくつかの県から厳しい審査を経て選ばれます。
 それらのお米の奉納を受けて、天皇が五穀の新穀をすべての神々に勧め、自らもこれを食して、その年の収穫を感謝するといった祭儀で、現在は、宮中三殿の近くにある新嘉殿というところで執り行われているそうです。

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こんにちは!ピュアネットジャパンの関根です。  鳩山新政権の政策にちなんで、先月号では、今話題の「ダム」と「自給率」との関わり

についてお話をしましたが、今回は「温室効果ガス」と「自給率」との関わりについて

お話をしたいと思います。

 

 本誌にて以前、田んぼが1年間に生み出す酸素はガスボンベに換算すると

6兆円以上にもなるというお話をしたことがあります。

 

 量にして二百億立方メートルもの酸素が、毎年田んぼから生まれる

計算になります。

もちろん稲が、光合成をするわけですから、その分の二酸化炭素を浄化する

ということでもあります。

 

また田んぼは気温の上昇を抑えるという役割も担います。

 NPO法人農と自然の研究所・代表の宇根豊さんの話によれば、

ご飯茶碗1杯分の田んぼ(稲2〜3株)から、30分もの涼しい風が生まれるといいます。

田んぼが生む濃い酸素や、水の蒸散が、空気の流れを作るためです。

田園地帯に涼しい風が吹くのはこのためで、夏場でもエアコンなしに過ごせる

田舎家も、こうした涼しい風の恩恵といえるでしょう。

 こうして田んぼで生まれる酸素や二酸化炭素の浄化も、温暖化防止に

大きく貢献するわけですが、実は、これらが果たしてどれほどの影響があるのかと

いっただけの単純な話ではないんですね。

 むしろ、日本がこうした田んぼを耕作放棄し、食糧を海外に依存することによる

弊害が大きいという話なんです。

 

 さて「フードマイレージ」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

 

 食糧の輸送で排出されるCO2など、環境への負荷の大きさを測る手段として

用いられていますが、運搬される食糧の重さt(トン)と、距離km(キロメートル)を

掛けて表しています。

表をご覧下さい。

フードマイレージ比較

 日本のフードマイレージは、他の先進国に比べても、ダントツに大きいことがわかります。

 総量でみれば、2位の韓国に比べても3倍近い数字ですね。

 日本の食糧輸入は、これだけ環境に負荷をかけているということ、

すなわち温暖化を助長する原因になっているということなんです。

 ちなみに日本人が国産小麦のパンを食べるだけでも、冬に自宅のエアコンの

温度を1℃下げるくらいのCO2を減らせるといわれています。

 そしてコンビニエンスストアの「幕の内弁当」1つに使われている食材の

フードマイレージが、なんと16万キロといいますから、本当に驚きです。

 

 日本の自給率低下が、地球の温暖化を加速させる大きな要因となってしまわぬ

ためにも、毎日の食卓にはぜひ、日本の農産物を選んでいただければと思う次第です。

食糧輸入輸出イメージ

こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

まだ11月だというのに吉祥寺駅前は、クリスマスイルミネーションが飾られました。

今年もあと2ヶ月、早いものですね…。

 

さてさてあまりにも早い実現に、私自身も驚いていますが、なんと移動オフィスがいよいよ稼動し始めます!

200811くまねこ号阿賀の里

実はその前の段階で、昨年は産地に事務所を移動しようかということを検討しておりました。


産地とのパイプの太さが要となる仕事柄、その方が有利かと考えていたのですが、産地といってもお付き合い先の生産者さんは1箇所ではありませんし、お客様から遠くなるというデメリットも気になっていました。


また受発注を含む日常の事務仕事で、東京にいながらも、お客様のもとへなかなか出向けないと悩んでいたのでなおさらです…。


そこで作業をしながら移動できないものかと考えたのが、事の発端でした。


そして今年の2月頃に思い立った「移動オフィス」のアイディア、2〜3年後に実現すればいいなと思いつつ、このコラムに「夢の移動オフィス」という記事を書いたのが4月…。

「やっぱり夢は言葉にしてみるものだな」と強く実感しました。


この記事を書いた後に、多くの方に興味を持っていただき、事は動き始めました。

 

 「移動オフィスになったら、ぜひウチの方にも来て下さいね!」という声をたくさんいただき、喜んでもらえる良い仕事が出来るのかなという実感が湧いて来ました。


それからというもの日常の仕事に必要なメール、FAX、電話に関するモバイルの研究に始まり、移動しながらでもこなせる受発注システムの構築、移動しながら請求書や印刷物を発送できる方法などなど、真剣に考え始めたら、あっという間にいくつもの問題をクリア


多くの方々の声に後押しされて、夢が予想以上に早く実現してしまったという感じです。


これからが本番!「移動オフィスで良い仕事」…ハイ、頑張ります!

それではまた来月。

200811車で仕事

《2008年11月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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こんにちは。ピュアネットジャパンの関根です。

先頃より、事故米のニュースが連日のように報道されています。

農水省と業者による心ない無責任な不祥事ですね…。


さて今回この事故米から検出された残留農薬のメタミドホス、アセタミプリドと、カビのアフラトキシンB1について調べてみました。


メタミドホスは、ちょっと前に中国の毒入り冷凍ギョーザ事件がありましたが、まさしくあの毒が、メタミドホスでした。


これはアブラムシ駆除などに使用される殺虫剤なのですが、家庭用の害虫駆除剤などに比べ、10〜100倍と毒性が強いため、人体や環境に与える影響が大きく、日本でも、また世界の多くの国でも使用が禁止されています。

 

ですが中国では、つい最近まで使用されてきました。

メタミドホスなどの毒性を高め、兵器用に改造したものがサリンなのだそうです。


アセタミプリドは日本でも使用されている新しいタイプの農薬ですが、やはり摂取量が多いと健康への危険性が高まる恐れがあると専門家からも指摘されており、植物への浸透が良いことと、効果の持続性が良い農薬なので、残留農薬の危険性と、体内への蓄積を指摘する報告もあります。


そして最後にカビ成分アフラトキシンB1ですが、これは天然物でもっとも強力な発ガン物質として知られています。

インドでは、このカビが原因で106名が死亡する事件も起きています。

実は、このカビが検出されたものはすべて輸入食品であり、国産品からは検出されていないとのこと。

国産品を食べること=自分の体と、日本の農業を守ること…とても大切ですね!

ではまた来月!

200810関根


《2008年10月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

最近、少しずつ、秋を感じる空気になってきた気がします。

そしていよいよ新米シーズン、みずみずしいお米がとても嬉しい季節です。


収穫の時期の産地は、見渡す限りの黄金色、とても美しい風景です。

200809とんぼと田んぼ

その昔、日本が「黄金の国ジパング」と言われたのは、金の産出だけでなく、一面の稲穂の風景も手伝ってのことだったんじゃないかなんてロマンチックに想像したりしています…。


さてさて、最近の異常気象、全国的なゲリラ豪雨、地球の温暖化がマスコミ等で取り沙汰され始めた途端に、肌身にそれを実感するほど、自然災害が増えてきました。


皆さんも、何か自然の異常を感じ始めてから、そのスピードが加速している気がしませんか?


でもずいぶん前から異常気象に警鐘を鳴らしていた専門家もいたようです。

よくよく考えてみると、私が小さい頃に、冬には当たり前だったバケツの氷や、ザクザク踏んだ霜柱も、今ではほとんど見かけません…。


さて今から4年前の2004年に、「デイ・アフター・トゥモロー」という映画が公開されました。

話題の映画でしたので、見た方も多いかと思いますが、この映画は、地球の温暖化によって極冠の氷が溶けたことで、海流に異変が起き、その結果として超大型低気圧――スーパー・ストームが発生して、地球に氷河期が訪れる…といった映画でした。


この映画をみた当時は、「こんなに急に氷河期が来るわけないよね」なんて笑い飛ばしておりましたが、その後まもなく現実のニュースで、アメリカに頻発する巨大竜巻や、大型ハリケーンの映像が流れました。

しかもその原因が、海面温度の上昇による気圧の変化だというから、何か、映画スクリーンの中だけのことと思っていたら、本当に氷河期が来てしまうのでは…と感じるほど、映画とオーバーラップすることが多いんですね、最近…。

さて温暖化の原因となるCO2を減らすには、日本をはじめとする消費国の自給率を上げることも、とても大切です。

 

輸入をする事で途上国の飢餓が救われるのであればいいのですが、先月号で書いた珈琲のお話の通り、どちらかといえば農業も、アメリカやEUなど先進国の経済戦略商品となっているので、やはり消費各国の自給率を上げることが正解のような気がします。


最近「フードマイレージ」という言葉で注目されつつありますが、食品を運ぶための輸送で排出されるCO2を減らそうという運動があります。

200809フードマイレージ

ちなみに「国産小麦」の食パンを食べることで、冬、自宅のエアコンの温度を1℃下げるくらいCO2を減らすことができるといいます。

海外の食べものは日本まで、たくさんのエネルギーを使って運ばれてきています。

 

ちなみにコンビニの幕の内弁当1つに使われている食材のマイレージをみると、16万キロ(地球4周に相当する距離)にもなっているそうです。

日本のフードマイレージは世界的に見てもダントツに多いとのこと…。

 

40%以下という極めて低い日本の自給率を、絶対にこれ以上下げてはいけないですし、生産者がどんどんやめてしまう今の状況も、何とかしないといけないですよね。


世界的に見ても、国内だけで考えても「地産地消」が一番環境に優しいということですし、地元のものを食べるのが一番体に良いという「身土不二」といった考え方もあります。


日本の食材はちょっと高いですが、その分、パンではなく、腹持ちのするお米を食べる「昔のような食習慣」がもっと根づけばいいですね…。

 

私自身も、忙しいとついつい麺類などを食べてしまいがちですが、なるべくごはんを食べるように心掛けたいと思います。

それでは、また来月!


《2008年9月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

毎日、暑い夏日が続きますね…。


さて今回は、関根珈琲舎の名に相応しくコーヒーの話題です。
先日、「
おいしいコーヒーの真実」という映画を見てきました。

1杯のコーヒーから、多くの問題を抱える今の世界のしくみが見えてくるような、なかなか考えさせられる映画です。


全世界で、1日あたりの消費量は約20億杯

世界市場においての年間売上高は800億ドルを超え、石油に次いで、第2位の取引規模を誇る超巨大マーケット、それがコーヒーの市場です。

200908一杯のコーヒーの真実


舞台となるのはコーヒー発祥の地エチオピア

コーヒーの原産国で、世界でも高品質のコーヒーを産出することで知られている国です。

エチオピアでは、コーヒー輸出額が、国全体の輸出額のなんと67%を占めており、5人に1人はコーヒーで生計を立てているというコーヒー大国です。


 世界の巨大マーケットに、良質なコーヒー豆を輸出するエチオピアが、実は毎年700万人もの緊急食糧援助を受けているということを、皆さんはご存知でしたか?


 大手コーヒーチェーンのトールサイズのコーヒー、1杯、330円のうち、コーヒー農家に支払われる金額はいくらか?

実は、わずか3円から9円ほど…。割合にして1%から3%程度なのだそうです。


コーヒーの相場は、ニューヨーク商品取引所での先物取引で価格が決まります。

そしてコーヒー市場を支配しているのは4つの多国籍企業

コーヒー豆の価格は、産地の収穫量や生産者側の事情には、まったく関係なく推移します。


先のエチオピアを例にとると、コーヒー豆1kgの生産者手取り価格は2ブル、日本円で約40円
手作業で行う
コーヒー豆の選別でも女性が1日8時間の労働をして、たった0.5ドルの日給しか得られないのだそうです。


映画の中では、エチオピアのコーヒー農家7万4千人を束ねる農協連合会の代表タデッセ・メスケラ氏が、農民のために公正な取引(フェアトレード)を求めて世界中を飛び回る姿が映し出されています。


この映画の製作者は、コーヒーだけでなく、自由貿易の名のもとに、食糧危機の原因ともなっている世界的な問題を、身近な1杯のコーヒーから考えてもらいたいという意図で制作したとのことでしたが、映画では、WTOによる貿易交渉で「先進国」対「途上国」という、対立要因についても触れています。


アメリカや、EU連合などの先進国では、自国農家に多額の補助金を出し、その補助金に支えられたバカ安の農産物を海外に輸出するものだから、途上国では、とても競争できない価格になってしまいます。

 

そうして先進国が輸出シェアを奪い途上国では、ますます飢餓を招くといった構図ができてしまうというわけです。


ちなみに、エチオピアのコーヒー輸出シェアは、全世界でたったの1%程度。

これが2%になるだけで、現在緊急支援を受けている援助額の5倍に相当する700億ドルを創出できるのだとか。


世界的にも、ますます格差社会になっているというわけなんですね…。
お米のように生産者の顔が見える珈琲工房って、できないかなあ…。

産地は外国だし、英語できないしなあ〜。


いやいや、日本が、海外からの輸入を減らすことも、世界的な食糧危機の回避になるのですから、私たちは、日本の自給率アップに貢献できるように頑張ることにしましょう!


さて映画「おいしいコーヒーの真実」は、現在、全国各地で上映しているようですので、よろしければぜひ1度、見てみて下さいね。

詳しくは「おいしいコーヒーの真実」公式サイトで。

http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/


それでは、また来月!

《2008年8月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

7月といえば、七夕ですね。


子供の頃は、短冊に願い事を書いたりして、その夢も何か、いつかは叶う気がしてウキウキした気分でしたが…、大人になると、「あっ、もう七夕か…。

今年も、もう半年過ぎちゃった〜、早いなあ…。」なんて現実的な会話しか出てこなかったりして…。


さて、このコラムでも何度かお話しましたが、私は年に1〜2回、夫婦で人生企画合宿をしています。

これも自分達の夢を叶えるために、この先10年で叶えたい夢を書き出すわけなんですが、その作業をする中で、自分なりに気づいた大切なことがひとつあります。


それは、書き出した「それぞれの夢」が自分にとって「目的」なのか、「手段」なのかに分けて、考えるということなんです。

 

同じ夢であってもたくさん書き出してゆくと、「目的の夢」と「手段の夢」が意外にごちゃ混ぜになってしまったりするんですよね。


たとえば私自身のことでいえば、「10年後に会社の売上を今の50倍にする」といったことを、2005年に書きました。


そして同時に、「将来、オーストラリアに移住したい」ということも書きました。

200807ウルル

「何を夢みたいなことを…」なんて言われそうですが、せっかく「一度きりの人生」の「夢」を書くんだから、「自分で限界を決めないで、本当にやりたいことはとにかく書いてみよう」が、我が家の人生企画合宿の原則です!

(恥ずかしながら、実はもっと大きな夢もいっぱい書いてあります…。)


これを年表に落として行くうちに「会社の売上を50倍にする」というのは、何のためにするんだ??ということを思い始めました。


それまでは、会社を大きくして、給料がたくさん取れるようになれば、「何でもできるだろう」と、漠然と思っていましたが、自分の未来年表をいろいろ想像しながら書き込んで行くと、売上を50倍にすることが、「オーストラリア移住の夢」や「その他の夢」と直結しなかったんですね。


 私の場合、「売上を上げる→給料が上がる→オーストラリアに移住ができる」という風にはなりませんでした。

 

どうなったかというと…
 「売上を上げる→社員が増える→ますます管理が大変になる→ヒマが無くなる→仕事人間で一生を終える」…自分の性格から考えると、こうなることは間違いないと思いました。


そこで、「オーストラリアに移住するには→○○年後に自分の手から仕事が離れている→そういう体制を作るには…」という風に道筋をつけないと、いつまでたっても夢は叶わないと思ったんです。


 私の場合でいうと「オーストラリア移住の夢」は「目的」で、「会社の売上を上げる夢」は「手段」に分類しました。


 それからというもの、会社の売上や給料は「夢を叶えるために必要なだけあればいい」と考えるようになりました。


その結果、どうせなら売上が大きい会社を目指すより、面白いことをやっている珍しい会社を目指したいと思うようになりましたし、お客様にすごく喜んでもらえて、気持ちよく仕事が出来る会社を目指したいと思うようになりました。

(まだまだですが…、そんな会社の実現に向けてガンバってます!!)


 「たった一度きりの人生で、自分が本当にやりたいことって何だろう?」って、叶えたい夢を真剣に考える作業って、とても楽しいものですよ!



皆さんもご夫婦で、ご家族で、親しい友人と…、ぜひやってみて下さいね。
さて我が家の、次の人生企画合宿は、いつどこでしようかなぁ〜。

それでは、また来月!


《2008年7月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。

いよいよ梅雨入りですね。

お米の仕事をしていると、この時期は米虫の心配ばかりの嫌な季節です。


さてここのところ、TVやマスコミでは連日のように、食品やガソリンの値上げの話題でもちきりです。

スーパーに行けば、何かいろいろなものが軒並み値上げしていたり、バターが棚から消えてしまっていたり…。


どこかで何かが起こっている感じがしますね。

この5月21日に発刊したNewsWeek誌に「史上最悪の食糧クライシス」という記事が掲載されました。

なんとここ数ヶ月で食糧不足を原因とする暴動が世界22カ国で発生したそうです。

200807NEWSWEEK世界食糧危機

日本にいると、にわかには信じられない話ですが、世界的に見ると穀物の貿易バランスが大きく崩れているようです。



日本国内では稲作農家は米価の下落に悩まされ、今でも離農する生産者が後を立たない状況…。
政府では大規模農家に集約するという政策を打ち出し、数年前に聞いた話では
400万戸あった農家を、十分の一の40万戸に減らす計画だとか…。


それでも今現在、日本では唯一自給可能なお米ですが、1993年に決まったWTO農業交渉のおかげで、一方では暴動が起こっている国があるというのに、日本ではいらないお米を77万トンも輸入しなければならないというおかしな状況があります。


77万トンというと日本国内の年間コメ消費量の10%近くに相当する量です。
さて、なぜこうした食糧危機が起こっているのか。


そもそもは、アメリカEU諸国の一部の輸出大国が巨額の補助金で支えつつ、余剰農産物を新興市場へ投売りしてきたことが、世界的な食糧危機のベースになっているようです。


そうした状況の中で、途上国では安い輸入食糧に頼りきり、自給率を低下させてしまいます。

ベトナム、タイ、バングラディッシュなどは、肥沃な農地を住宅地や工業用地に変えてしまい、マレーシアでは、輸出のためのパーム油のために、米作り農家を減らす…。

 中国、インドなどは、急速な経済成長で大量消費国となり、これまでの輸出国はこぞって輸出規制をするという状況。


そして今話題のバイオ燃料ブームも食糧危機に拍車をかけています。

アメリカでは、バイオ燃料用トウモロコシに巨額の補助金が投入され、すでにトウモロコシ生産量の約20%がバイオ燃料用に切り替えられてしまいました。

しかも大豆生産者多くが燃料用トウモロコシ生産に切り替わり、大豆不足の引き金にもなっています。


同様にドイツやフランスでも耕作地の15%は、そうしたエネルギー作物の生産に切り替わっているとか。


こうして世界的な食糧の奪い合いが始まっているわけです。

どこも国益優先ですから、世界のどこかで食糧難による死者がたくさん出ても、食べ物を燃料にしてしまう国があるわけで…。


日本も、先進国の中では最も自給率の低い国です。

いま世界中で起きていることを真剣に考えれば、これ以上農家をいじめて自給率を減らすことがどんなに愚かなことか…。そう思いませんか?


ごはんは茶碗1杯で50〜60円。そんなに安くてお腹いっぱいになるし、1年中食べてても飽きない日本人の主食です。


当たり前にあるからありがたみを感じないのかもしれないけど、おコメ農家がいなくなって毎日イモばかりじゃツライですよね…。


おコメの価値を考えれば、もうちょっと高くてもいいものだと思うわけです。
このままの米価じゃ、日本のおコメ農家もいなくなっちゃいます。

 

とてもいろいろ考えさせられる世界食糧危機のニュース…。

今回はちょっと社会派「関根珈琲舎」でしたが、皆さんは今の日本の農業政策をどう思いますか?


《2008年6月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

新緑のすがすがしい季節になりましたね!

ピュアネットジャパンの関根です。

私はこの5月2日で44歳になりますが、まだかろうじて40歳代前半…。(笑)

そして関根珈琲舎も情報ふぁ〜むに連載し始めて今回で24回目、2周年記念となります!


さて早速の余談ですが昨日、ロードショー公開されたばかりの「10,000BC(紀元前1万年)」を見てきました。


雪深い山に住む狩猟民族の主人公が、別の民族に連れ去られた女性を助けるために旅に出るというお話しなのですが、主人公が旅の終わりに手にする「求め続けてきた約束された未来」というのが、農作物の「種子」だったんですね。


主人公の冒険やロマンスと共に、不安定な生活を強いられる狩猟民族の姿が描かれているわけですが、それだけ作物の栽培というのは画期的で素晴らしいもの、「約束された未来」とはよく言ったものだと妙に感心しつつも、やはり農業は大事なんだと再認識しました。映画の内容は冒険ラブロマンスなんですが…。(笑)

なかなか楽しい映画でした!!


さて関根珈琲舎も2年間継続することができました。

そこで今回は「継続」することの大切さについてのお話をしてみようかと思います。

200805情報ふぁ~むバックナンバー

2000年5月より発行し始めた情報ふぁ〜むですが、私自身がすべての記事を書いていたのが、約4年半、その後すべての編集を高野に引き継ぎ、しばらくのお休みをいただいた後、関根珈琲舎のコラムを書き始めて2年、通算で約6年半、記事を書き続けたことになります。


とはいっても実は私自身、日記も続いた試しのない三日坊主で、こうした継続的な発信はあまり得意ではありませんし、人に「継続の大切さ」を説教できるほどの人間ではありません…。(笑)


月にたった一度のことですが、締切ギリギリになって、いつも苦しんでいます。

「考える時間」と「書く時間」は割合にして5:1くらいでしょうか…。

テーマの決定がとても大変です。


それでもこうした情報発信を継続していて、本当に嬉しいことが起こるんですね!

それは、読んでいただいている方からのご返信なんです。

私の場合には、この嬉しいことに出会うまで、とても時間がかかりました


どんなマーケティングの本を読んでも、継続的な情報発信は大事だとありますし、当初は、半信半疑でいながら、啓蒙が必要な商品だし、セオリーに従って始めてみるか…ってな感じでした。


そして始めた当初は、送っても送っても何か「届いているのか、いないのか」って思うほど、効果を感じることはできませんでした


それは啓蒙に一生懸命になりすぎて、食の安全性や、農業について熱く語りすぎたというのもあったかもしれませんが、今の情報ふぁ〜むほど、人間味もなかったのではないかと思います。


そして現在の柔らかい感じの情報ふぁ〜むは高野編集長が一新してくれたものですが、さすがですね!

女性の感性って店作りにも出たりしますよね。

逆に男ばかりの店は、外から見ても良くわかる…。

 

何事も、飾りつけはやはり女性に任せるべきだと思う今日この頃ですが、私自身も「関根珈琲舎」として、比較的パーソナルな記事を書くようになってから、いろいろなメールやお電話、お便りをいただけるようになりました!


お返事をいただくって本当に嬉しいことですし、それがきっかけで、プライベートでも、お客様でも、より楽しく、より深いコミュニケーションにつながるんだということが最近、本当に実感できました。


でもこうしたご返信をいただけるようになったのは6年半も続けて、まだつい最近のことですから、途中で挫折していたら味わえなかった感動ですね…。


継続することで少しだけ、誰かの心に響く文章が書けるようになってきたのかもしれない…と自分を励ましつつ、まだまだ未熟ではありますが、少しでも皆様の心に届くよう、これからも頑張って記事を書き続けて参りますので、今後とも情報ふぁ〜む並びに関根珈琲舎をご愛読いただければ幸いです。

それでは、また来月!!


《2008年5月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

こんにちは、ピュアネットジャパンの関根です。もう桜の季節ですね!


皆さんはもうお花見に出かけましたか?

 私はこの頃の肌寒さに負けて、車で桜並木を走っただけ…。桜の散らないうちに、春らしい陽気になって欲しいものです。


さて最近、私の中に新たなる野望が出来ました…。

それは、移動オフィスの実現です!

200804関根移動オフィス

私共の仕事も、SOHOに近い感覚での仕事ですので、事務所はり付きの仕事で追われっぱなしの毎日という状況が続きます…。


そうした作業に追われっぱなしでいると、お客様や生産者様、皆様のもとへもなかなか出向けませんし、ルーチンワークだけで毎日、毎週、毎月、そして毎年があっという間に過ぎてしまうという危機感を日々感じています。


なぜ移動オフィスなのか?
それは、
出向くことの大切さを私自身がしみじみと感じている中で、事務所での仕事に縛られているのだから事務所ごと持ち運べないか…という発想です。


私自身これまで、いろいろなところに足を運ぶことで、仕事や人生が開けてきたということを実感してきました。


小売店店主時代に、大阪や京都に毎月のように通って関西商人の諸先輩方の商売を感じることができたこと、夜通し走って東北、北陸中の生産者のもとを訪ねて歩いたこと、多くの異業種の方々と交流できたこと…。

 

そうしてあっちこっちに出向いて、たくさんの人と会っている時ほど、新しいアイディアもたくさん出てくることに気づきました。


思い起こせば、家業の酒販店を継いだ頃、いつ配達が入るかわからないので、お店を30分と空けることが出来ず、半径2km圏から出ることの出来ない毎日でしたが、大阪を本拠地とする酒販店グループに参加したことから、人生が動き始めました。


それまでは「仕事があるから絶対に出られない」と思い込んでいたことが「出たい」と思いはじめたら、意外に何とかするものなんですね。

平日に休みや連休を取りたいと思ったら、お得意様には一生懸命電話をするわけです…。(笑)


そうして着慣れないスーツに身を包み、新幹線に乗って、「日常と違う」月に1回の大阪通いをし始めたわけですが、そんな中で、いろいろな人と出会い、いろいろな商売を見たり、新しい見聞が出来ることで、当時は自分でも驚くほど新しいアイディアが浮かんできたことを思い出します。


そして今の仕事を新事業として起したわけですが、その後の1999年に大きな赤字を出した時に、立て直しのために事務所にこもるようになると、今度はアイディアがスッパリと出なくなってしまうんですね。自分の気持ちのあり方もまったく違います。


アイディアが次々と出るときは、気持ちも明るく、何もかもうまく行く気がするんですよね!

事実そうした状況にあるときほど、私の場合は仕事もうまく稼動していたように思います。


現在、お付き合いのお客様や生産者様は、北海道から九州までいらっしゃるのですが、そうした方々に会えないどころか、ここ数年、目と鼻の先といっていいほど近隣のお得意先にも足を運べない状況が続きました。


そうした中で、思い立った「夢の移動オフィス」ですが、調べてみたところ、今では電話もパソコンもFAXも、モバイル通信で相当のことができるということがわかりました!


そして今、移動オフィス実現に向けて、計画と準備を着々と進めております。

 

最初は、かばんの中の1台のパソコンから…、ゆくゆくは、キャンピングカーで事務所ごと、皆様のところを訪ねて日本縦断!!…出来るかな??

1日も早く、皆様のもとへ出向けるよう頑張りたいと思っています。それでは、また来月!!

 

《2008年4月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

数年前に「今がわかる時代がわかる世界地図」という本を買いました。

 

そこに掲載されていた世界の平均寿命…1位は日本の80.7歳でしたが、最下位はザンビアで、なんと38.0歳

200803世界の平均寿命

そして驚くことにアフリカ大陸のほとんどの国の平均寿命が、30〜40歳代という驚きのデータでした。


理由は乳幼児死亡率の高さと、HIVの流行とのこと。

私は今年44歳になりますから、アフリカに生まれていたら、もう当たり前に死んでいる年齢なんだということを知って驚きました…。


 さて今年1月のコラムでは我が家の人生企画の話をしましたが、実は私が最初に作った人生企画では、自分の寿命を78歳に設定していました…。

それは私の祖父の寿命が78歳だったからです。


先日それを母に話したところ、親心からなのか「78歳じゃ短いよ。」と言われましたが、実は、私の父が亡くなったのは58歳

 

49歳で発病した脳腫瘍で、その後言語障害、半身不随で10年間の闘病生活の後の死でした。

働き盛りの年齢だったので、とても遺恨を残しての死だったと思います。


 そんな父の年齢に近づいてきた今現在の私自身を考えてみると、まだまだやり残したことがいっぱいあって、死んでも死に切れません…。


でも父や、アフリカの人々のことを考えると、78歳まで生きられる保障はどこにもないんですよね。

だからこそ「明日死んでも悔いはない」と言えるような人生に早く到達しないといけないなあ…と最近、よく考えるようになりました。

 

またこの歳になって、あれは父が身を持って教えてくれた教訓なのだと考えるようにもなりました…。

毎日、何かに追われるような強迫観念と共に、目の前の仕事をこなすことに目一杯だった30歳代…。

その時は、やってもやっても次々現れる仕事や作業を一生懸命続けていれば、いつかは楽になると信じていましたし、そしてその延長線上に、いつかは成功のゴールがあると信じていました。

その後40歳代になって、夫婦で人生企画をするようになってから、自分の中で大きく人生観が変わってきました。


少なくとも、30歳代にやっていた「がむしゃらに目の前の作業をこなす」ことの延長線上には、成功や理想の人生はないことに気づきました…。


当時の私の中では「頑張って仕事が軌道に乗れば、もっとやりたいことが出来る」という漠然としたもので、それ自体が「仕事が目的である」ということと何ら変わりないということに気づいたからです。


さて話は変わりますが、先日、何かの記事で「月に行こうと思ったからロケットが出来たんだ」といったコピーが目に飛び込んできました。

 

楽天の三木谷社長の言葉だったかと思いますが、「飛行機がどんどん進化していってロケットが出来たのではなく、月に行きたいという強い思いが、ロケットを開発させたんだ」といった内容のお話でした。


以前にもこのようなお話を別のところで聞いたことがありましたが、なるほど、まさしくこれなんだとつくづく感じいってしまいました。


やはり「最初に何をやりたいかをはっきりさせて、そこまでの地図を描く」ということが大切なんですね…。

 

私の大好きなビートルズのWe can work it outという歌の中に「Life is very short and there’s no time.」という一節がありますが、この歌をこれからの自分の人生のテーマソングにしようかなどどバカなことを考えたりしつつ…(笑)、今現在、当たり前にやっている目の前の作業にも常に疑問を持ちながら、「俺はいつ死んでも悔いはねえ!」と早く言えるように頑張りたいと思っています。

それでは、また来月!


《2008年3月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

「行動なき理論は意味がなく、理論なき実践は無駄が多い」


私とおつきあいの長い方は、幾度となく耳にしていることと思う…私の大好きな言葉です。


最初に、この言葉の「理論なき実践は無駄が多い」というところを実感したのは、学生時代に趣味にしていた音楽でのことでした。

200802関根はずかしながらギター中

俗に言う「音がぶつかる」ということがわかるようになったのは「理論」のおかげでした。

(音がぶつかるというのは、2つの音が同時に半音程で鳴り、不協和音を奏でることです。)


もう昔の話で恐縮ですが、私が学生の当時、自分で作った歌を自分で歌う「シンガーソングライター」が全盛で、私もアリスや松山千春などに憧れギターを始めました。


当時のこうしたミュージシャンたちは、こぞって「楽譜なんか読めなくても音楽はできる」と豪語していたのですが、私もそれに見習い自己流で曲を作ったり歌を歌ったりしておりました。


そんなある日、ヤマハの主催するポピュラーソングコンテストに応募してみたら、運良く予選を通過して東京大会まで進出、もしかしたら本選まで行けちゃったりして…なんて期待に胸を膨らませつつ、結果はあっけなく落選…。


それをきっかけにそのコンテストの審査をしていた作編曲の先生が主催する作編曲教室に通い始めました。

そして自分で楽譜を書くようになると、音楽の聞こえ方がまったく違ってきたんですね。


それまでわからなかった「音がぶつかる」ということも楽譜で確認しているうちに、感覚でわかるようになったんです。

各楽器の動きや、和音の音程がわかるようになったり…。本当に驚きでした。


たぶん「楽譜なんか読めなくても音楽はできるんだ!」とそのまま音楽理論や、楽譜に触れることなく音楽をしていたら、もしかしたら一生わからなかったかもしれません。


その後、仕事でも「理論なき実践は無駄が多い」ということを実感する出来事がありました。


20歳代の後半、父の死をきっかけに家業である酒販店を継いだ当時、何をやったら良いかわからず、知人の紹介で、当時関西方面で話題になっていた酒販店の全国組織に参加しました。


年商3億だとか、5億だとか、従業員を何人も抱えて大きな商売をする関西商人の諸先輩方にご指導いただきながら、見よう見まねで、いろいろなことをやりました。


ビール1ケースで○○プレゼントとか、お米とビールで○○円安いとか、春のクリーニングセールとか、灯油前売り回数券とか、浄水器設置キャンペーンとか、携帯電話が無料とか、酒屋だか何だかわからないことまで、1〜2週間ごとに、キャンペーンを変えるものですから、お店のパートさんは、「今、このキャンペーンやってましたっけ」とか、「これ今いくらでしたっけ」とか、もうチンプンカンプン。
しかも
なかなか、成果が出ないんですね…。


それだけなら良いのですが、お店のバックヤードには、ほこりをかぶった景品や、不良在庫の山ができ、これをどう処分しようかとまた頭を悩ませたりして…。


最後のとどめに、パートさんには「私もう店長には付いていけません!」と辞められちゃう始末…。

 

(笑)そんな中で出会ったのが、ランチェスター戦略というマーケティング理論でした。


弱者と強者の戦略、一番化、一点集中主義、地域戦略…。これを知ったことは、私にとってとても大きな衝撃でした。

ただ追われるばかりの毎日から、商売の仕方が変わり、仕事がとても楽しくなったことを思い出します。


半径2キロの商圏を36のブロックに分割し、地域戦略マップと称した、たたみ1畳ほどもある地図を壁に貼り出して、お客様の家を赤色で塗りつぶし、ブロックごとのシェア率を書き込んで…。


作業でしかないと思っていた酒屋の仕事が、戦略的な仕事になった気がしました。

それからというもの販促の成果が出始めたことは…、言うまでもありませんね。

 

実は、その理論戦略にそって決めた一番化商品が「お米」だったというわけなんです。

 

家業の「酒屋」の経営を助けるために始めたその「お米」が今、自分のライフワークとも言える「仕事」になっているんだから不思議なものです。


習うより慣れろ」と良くいいますが、

私個人的には、「でも早いうちに習った方が身につけるのは早い」という言葉を、その後に付け加えたいところですが…。(笑)

それでは、また来月!

 

《2008年2月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》

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