お米を作ったことのない人にしてみると「米作り人生50年!」なんて言われた日にゃ〜(ちょっとべらんめー調でスミマセン。)さぞかし美味しいお米を作るんだろうなという印象を受けてしまいますが、長年作っているから美味しいお米が作れるわけではありませんし、安全なお米を作れるわけでもありません。
主婦は料理を作るプロですが、何年主婦をやっていても一流レストランのシェフにはなれないのと同じことです。イタリアンも、フランス料理もそれなりの勉強をしなければなりませんよね。
稲作も自己流料理と全く同じで、経験とカンだけでは限界があるんですね。もちろん長年の経験がある分、気象条件や稲の生育状況に合わせて肥料を施すタイミングなどカンがモノをいう場面も多かれ少なかれあることは否めませんが、それもある程度の知識で補えるものです。
食管法の管理下で行われてきた収量重視の農業に比べ、食味重視、安全性重視の農業は根本的に異質なものです。
無農薬栽培の研究者や達人に言わせれば、農業経験者よりも脱サラ農家のほうがよっぽど呑み込みが早いという人も少なくありません。
生半可な経験や知識がかえって邪魔になってしまうといいます。
それだけ技術や手法が全く違うというわけです。