こんにちは、ピュアネットジャパン(株)の関根です。
先月の「結婚について」の記事、私の暴露話もあってか…、電話やメール、お手紙など、とてもたくさんのメッセージをいただきました。
どれもとても温かいメッセージや、共感など、嬉しい反響をたくさんいただきまして本当にありがとうございました!
さてさて今回は、現場に出向くことの大切さについてのお話しをしようと思いますが、この10月7日〜8日の連休に弊社の会員である小売店様を対象とした産地研修会を行いました。
この研修会を始めて今年で12年目、これまでに北海道、秋田、山形、山形、新潟、長野、栃木、千葉、埼玉などいろいろなところへ行ってきましたが、実はこの研修会を始めようと思ったきっかけが自分自身の体験にあるんですね…。
今から十数年前、私がまだ酒販店の店主をしていた頃の話ですが、当時お酒のディスカウントが一大旋風で、売上が激減する中、自分のお店を守るために始めたのが「店頭で1kgから玄米をその場で精米する」という店頭精米でした。
まだ店頭精米機というものが開発されたばかりで、日本で何台もないと聞いておりましたが、関東では見たことのない商売でした。
そこで機械を導入し、某米卸問屋に玄米で分けて欲しいと交渉に行ったところ、「白米では卸せるけど玄米では卸せません」と言われました。
「なぜ??問屋事務所横の倉庫には玄米が山積みになっているというのに…。」
その後、玄米を扱うようになって「玄米というのはお米の品質や状態がとても良くわかる」ということに気づきました。
そして玄米では販売できないといった米卸問屋の理由も…。
さて、問屋から玄米を仕入れられないということであれば、農家を頼るしかないなという単純な発想で、その後、親戚、知人を伝って農家を交渉し始めました。
食管法が崩壊するちょっと前のことでしたので産地に出向くお米屋さんはほとんどいない時代のことでした…。
話は変わりますが、当時の私は「こんにちは、良い天気ですね…。」と言った後、会話が続かなくなるほどコミュニケーション下手で、接客には、とても苦手意識がありました。
ところが、生産者からお米を仕入れるようになってから、自分の中で革命的な出来事が起こり始めたんです。
酒販店店主をしていたその頃の私の行動範囲は半径2km。
時々配達が入るので、お店を30分と空けることができません…。
そんな中で、お米を仕入れるために何百キロもある山形や、新潟などに出向くことになったのです。
当初は、お店を夜8時に閉めてから、4トントラックを借りて、そのまま山形や新潟に出向きました。
夜中の3時頃に産地に着き、それから玄米を250袋ほども積み出しをして、朝ごはんをご馳走になって帰ってくるということをしていました。
24時間以内にレンタカーを返さないといけないので、せっかく山形へ行っても温泉にもつからずとんぼ返りです。(若いから出来たことですね…笑)
でも半径2kmの範囲行動しかしない自分には、とても刺激的で楽しい出来事でした。
そんな中で、生産者から聞いた話や、産地で撮った数枚の写真が自分の商売に大きな革命を起こしたんですね。
生産者から聞く話は、とてもショッキングなものでした。
「農薬で身体を壊す生産者は大勢いる。食べる人にとっても良くないことはわかっている。
だけど良かれと思って農薬を撒かなければ、周り近所の農家からは、稲に病気や虫がつくのはお前が農薬を撒かないからだと言われ、仲間外れにされる。
自分の田んぼだから関係ないだろうといって、減反をしなければ、自分にだけでなく連帯責任だといっては地域全体に補助金を出してもらえなくなるので、村八分にされる。」などといった自分達には想像できない世界が、そこにはありました…。
それからというもの、意図したわけではありませんが、自分の言葉に魂がのったというのか、産地での生産者の話や写真を見せながら、自然に自分の感動をお客さんに語り始めていたんですね!
そうしてあっという間に、それまでの何倍どころか何十倍といったお米が売れるようになりました。
たぶん同じことを第3者から間接的に聞いても、同じ現象は起きなかったと思うんです。
やはり自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自然に自分の中に湧いた感動だからこそ、お客様に伝わったのではないかと思うんですね…。
だからこそ「自分と同じ体験をして欲しい」と思い、始めたのが今の産地研修会なんです。
私自身、もう数え切れないほど産地に足を運んでいますが、今だに行く度に、新しい発見や感動があるんですね!
商売に限ったことではないかと思いますが、現地に出向いて自分の目で確かめるというのは、とても大切なことだとつくづく感じました。
自分の中に革命が起こることもありうるわけですからね!
このお便りが着くのは今年の産地研修会が終わった後ですが、今後も毎年行って参りますので、一人でも多くの人に、この感動を味わっていただきたいと思うのです。
小売店様に限らず一般の方やお客様も大歓迎です!
ご興味のある方は、ぜひ弊社までご一報下さいね。それでは、また来月!
《2007年10月1日発行 「玄米工房情報ふぁ〜む」コラム記事 関根珈琲舎より》