見えない危険と、見える安全、あなたはどちらを選びますか? 2006年8月1日記事

カメムシ被害粒_s160.jpg写真(左)のように米粒の一部に黒い斑点のあるお米を見つけて、ビックリした経験はありませんか?
時には、毒なんじゃないかと心配するお客様もいらっしゃいます。

 

【黒い斑点は安全の証?】
実はその反対です。この黒い斑点はむしろ安全の証し!もちろん害毒は一切ありません。
実はこの黒い斑点は、カメムシ君の被害の跡なんです。カメムシの被害にあった斑点米が、何で安全かって!?

実はカメムシを退治するための農薬は一番お米に残留する危険性が高いんです。
今話題の温暖化の影響か、近年、農村ではカメムシの発生が大問題になっています。
そこで各産地の農協では、カメムシ対策が強化されています。
そうです…、農薬散布による一斉駆除です。

 

【カメムシ防除は、農薬残留の可能性大?】
カメムシは通常、林や草むらの中に潜んでいて、稲に穂が付き始めると田んぼに移動します。
そして乳熟期と言われる時期、米粒がまだ形成する前で、もみの中がミルク状になっている時に、カメムシがそのミルク状のお米をチューッと吸うのです。その跡が、米粒に黒い斑点として残るわけです。


さてここで一番問題なのが、この乳熟期という時期なんです。当然、カメムシを駆除するにはこの乳熟期を目掛けて農薬を散布しなければなりません。ところが米粒を形成し始めるこの時期は最も農薬が残留する危険性が高いと言われているんです。ひどいところでは、この時期、毎週のように農薬を散布するところもあります。


ちなみに右下の印刷物は、ある農協が平成14年に地域の生産者に配布した栽培ごよみ(栽培の指導書)です。水稲栽培ごよみ_s160.jpg
これには穂ぞろい期と傾穂期の2回、多発時にはもう1回、農薬散布をするようにとあります。
穂ぞろい期とは穂が出そろった時のこと、傾穂期とは穂が稔り始めて傾いた頃のことをいいます。
当然お米が形成され始めているのですから農薬が残留する可能性も非常に高くなってきます。

 

【カメムシに農薬7回?】
さてもう一つ(左下の印刷物)もスゴイですね。「ストップカメムシ4・6・7・8運動」、このポスターの掲載内容ですが、4月、6月、7月には、あぜ道や堤防などの雑草がカメムシの生息場所になるので、除草剤散布や草刈りを徹底し、穂の出る8月には、初旬と10日頃と15日頃の計3回田んぼに直接散布し、多発時には20日頃にもう1回と指導しています。やはり3回〜4回は稔り始めた稲穂に直接散布するわけです。ストップカメムシ4678運動チラシ_s160.jpg


4、6、7月の除草剤も合わせると、多い人はカメムシ対策だけで7回も農薬を使用します。このように農薬を散布してカメムシを駆除すれば、黒い斑点米を減らすことは可能ですが、同時に目に見えない残留農薬の危険性が高くなるわけです。


カメムシ_s160.jpg知っていれば、黒い斑点を見るたびに「こいつもカメムシ君に食われてしまったのか。さぞかし美味かったんだろうな…。」とほのぼのできますが、知らないと「異物混入だ、大変だ、毒じゃないのか!」なんて大騒ぎになってしまいますよね。


今晩炊いたお米で、ほのぼのと「安全の印」探してみて下さい。

あなたは『見えない危険』と『見える安全』どちらを選びますか?

 

「玄米工房通信」2006年8月1日記事