こんにちは!
ピュアネットジャパンの関根弘幸です。
今回はお米の栽培技術のお話です。
美味しいお米というのは、一体、何が違うのか? お米の流通が食管法で管理されていた時代(平成7年より前)では、
新潟の魚沼産が美味しいとか、秋田の仙北産が良いとか、
産地と品種で判断するしかありませんでした。
流通が自由化された今では、「生産者の顔が見えるお米」は当たり前に
販売されていますが「生産者の顔が見える=安心」だけがメリットではありません。
実は、生産者それぞれの栽培方法や、乾燥調整などの技術で、
安全性だけでなく、美味しさも格段に変わります。
美味しいお米が出来る条件は、「①種、②人、③自然」の順に大切だと言われます。
種というのは、コシヒカリ、あきたこまちなどの品種、
人というのは、生産者の栽培技術、
自然というのは、土、水気候などの自然条件。
特に栽培技術については、品種や自然条件が少々劣っても、
そこそこの食味は出せるといわれるほど、大切な要件です。
事実、多くの生産者と十数年来、関わってきた私共の経験からも、
埼玉などの生産者が、新潟米にも引けをとらない美味しいお米を作るというのは、
珍しいことではありませんし、上手な生産者は、毎年の味や品質のバラツキも
他に比べて、少ないということを実感しています。
そこでこうした栽培技術の違いを、ご紹介してみたいと思います。
今回はその第1段として、「疎植栽培」をご紹介します。
疎植の反対は、密植といいます。
疎植とは、その字の通り稲を植える密度を少なくするということです。
こうすることで、稲一株一株が、広く根を張り、たくさんの養分を吸収できるとともに、
稲全体に日の光が良く当たることで、光合成が進み、生育の良い健康な稲が育ちます。
また株と株の間が広いため、風通しもよく、
稲の病気や害虫も防げるという利点もあります。
「そんなにイイコトづくめなら、誰でもやるんじゃないの?」と言われそうですが、
実はそうでもありません。
写真Aは、一般の生産者さんの田んぼ、写真Bは疎植栽培をする生産者さんの
田んぼです。
疎植栽培では、1坪当りの株数も一般から比べると、20株以上少なく植える生産者も
いるほどです。
写真Bを見てわかる通り、普通の田んぼと比べると、ちょっと弱々しい感じが
してしまうほど、少ないですよね。
実は、収穫量を減らしたくないと考える一般の生産者には、
こうした疎植での植え付けは怖くて、なかなか出来ないのだそうです。
次号につづきます。