こんにちは!

ピュアネットジャパン株式会社 社長の関根弘幸です。 

前回に引き続き、今回も、お米を美味しくする生産者の技術の違いを

ご紹介したいと思います。 目次はこちら 

 

 生産者の栽培技術が大切っていうけど、栽培でそんなに味が違ったりするものなの?

結局は土と水がものをいうんじゃない!?

 ハイ、当たり前の疑問だと思います。実は私も最初はそう思っておりました。

 よく山沿いの粘土質土壌が良いとか、海沿いの砂地は美味しいお米ができないとか、

昔、川が氾濫したところは美味しいお米が取れるとかいうことを良く耳にします。

 

 これは地力という言葉を良く使いますが、その土壌に含まれる微量要素などの

含有量が、山沿いや川の氾濫地域にはもともと多かったり、海沿いには少なかったり

という傾向があるということなんです。

 

 でも海沿いでも立派に美味しいお米を作る人もいれば、美味しいといわれる

山沿いの地域でとてもまずいお米を作ってしまう人もいるんです。

 これはなぜでしょうか?

実は、生産者自身がその土地に合った施肥設計をしているかどうかが

運命の分かれ道となっています。

 

 「ヘの字」といっても、かかしの顔の「へのへのもへじ」のことではありませんヨ…。(笑)

これは土中のチッソの効き方を、文字の形に例えて表したものなんです。

お米を作る上で必要とされる3大養分は、チッソ、リン酸、カリ(カリウム)です。

その中で稲の生育や、食味(お米の美味しさ)と最も関係が深い養分は、

チッソだと言われています。

 チッソ肥料の量や、散布するタイミング一つで、お米が美味しくなったり、

まずくなったりします。

この他マグネシウムなどのミネラル分も食味に影響するといわれていますが、

特にチッソ肥料に関しては出穂2週間前あたりからの土中のチッソ含量が

味の決め手になってきます。

 この頃からみのりの秋までにチッソ分がきれいに消化できてしまわなければ

お米がまずくなるどころか、稲の病気も出やすくなってしまいます。

 「への字型稲作」というのは、チッソの効き方が右下がりに落ちて行く様を

「へ」の字にたとえているわけですが、出穂までにチッソを適度に消化させて、

健康な稲を育て、食味を上げることが出来ます。

 

 これに対し、V字型というのは、その字のごとく、はじめにたくさんチッソを与えて

早いうちに稲の成長を促し、出穂前後からまたどんどんチッソを右上がりに

効かせて行くという「への字型」とは全く逆の理論です。

 

 実はこの「V字型稲作」は農薬の進歩と共に確立したものなんです。

先ほど申し上げました通り、後半のチッソ過多は稲の病気につながります。

そうした病気を農薬で防げるようになってから、この「V字型稲作」が日本全国で

一般的な稲作技術となったのです。

 

 このV字型では、味が格段に落ちてしまいますが、お米の収量が増えるという

メリットがあります。

 

まさしく量を取るか、質を取るかということなんですね。


(写真)出穂2週間前の稲。
この時期にチッソが残りすぎると葉の緑が濃くなり、お米がまずくなってしまいます。

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